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2023/08/24

外国人観光客の回復遅れる静岡県 川勝知事が宣言 「早期回復」の手段は?

新型コロナの影響で中国路線が運休している静岡空港

■静岡県への外国人観光客 2019年比で33.5%と大幅減

首都圏や関西などでは新型コロナウイルスで減少した外国人旅行者が回復する中、静岡県は遅れが目立つ。最大の要因は、中国の団体旅行規制。8月から日本への旅行規制が緩和され、川勝平太知事は「早期回復を図る」と宣言した。

 

日本政府による新型コロナの水際対策が4月下旬に緩和され、外国人観光客が日本に戻ってきている。5月の外国人宿泊数は867万5000人と前年比の約13倍、新型コロナ感染拡大前の2019年と比べても90.1%まで回復している。

 

一方、静岡県の回復スピードは鈍い。5月の外国人宿泊者数は2019年比で33.5%にとどまっている。最大の要因は中国への依存だ。静岡県への外国人宿泊者は約7割が中国からの旅行者。中国による団体旅行禁止の影響を大きく受けている形だ。新型コロナ前は静岡空港から中国へ8路線が運航されていたが、現在も全ての路線で運休が続いている。

 

川勝知事が期待を寄せるのは、8月に解禁された中国の団体旅行。22日の定例会見では次のように話している。

 

「中国国内では訪日団体ツアーの販売が始まっており、9月上旬から訪日団体ツアーが開始される見込みとなっています。現地の旅行会社による旅行商品の造成、販売に対する支援金の交付、インフルエンサーによるSNSでの情報発信、現地旅行会社への営業活動の強化など積極的な誘致活動に取り組んで、中国からのインバウンド早期回復を図っていきたいと考えています」

 

■静岡空港の中国路線 運航再開の正式な報告なし

団体旅行の規制緩和を受けて中国人観光客が静岡県を訪れるよう、積極的に動いていくという。文化芸術の発展を目的に日本、中国、韓国の3か国で毎年1つの都市を選ぶ「東アジア文化都市」に今年は静岡県が選ばれていることから、関連事業を展開して、中国の旅行需要を喚起するとしている。また、中国人をはじめ、外国人からも人気が高い富士山の世界遺産登録の10周年と関連させた事業にも力を入れていく。

 

静岡空港の中国路線については、運航再開のめどは立っていないという。川勝知事は「特に中国東方航空は上海と静岡を結ぶ便の運航再開の動きが加速していることを承知しています。現在のところ航空会社から正式な報告は受けていない状況なので、航空会社との連絡を密にして1日も早く運航再開を働き掛けたいと考えています」と話した。

 

新型コロナの影響で大幅に落ち込んだ中国から静岡県への旅行客。団体旅行解禁を追い風にできるのか、川勝知事の手腕が試される。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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