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2023/08/13

市場シェア15%の最大手 ビッグモーターの不正で好調の中古車業界どうなる?

水増し請求が発覚したビッグモーター

■中古車販売3兆9073億円で過去最高 黒字企業は81%

不正請求が発覚したビッグモーターの報道が連日、続いている。街路樹への除草剤散布や幹部による暴言なども明らかになっており、業界最大手の不祥事は多方面への影響が避けられない。好調な中古車業界の低迷を心配する声も上がっている。

 

民間の調査会社「帝国データバンク」によると、昨年度の中古車販売市場は3兆9073億円に達した。前年度より125億円増えて過去最高を記録した。約3割の企業が増収となっている。

 

自動車販売は近年、新車は半導体不足の影響を受けて供給が減り、納車が遅れていることから、中古車の需要が拡大している。また、新車価格の相次ぐ値上げも割安で即時納車が可能な中古車市場の追い風となった。

 

中古車販売店の損益ベースでは、昨年度は全体の47%が「増益」だった。「昨年度と同じ」、「減益」を含めて、黒字の企業は81%を占めている。

■ビッグモーターの不正で顧客に変化 「信頼関係が…」

収益を支えた1つの要因が、中古車の購入者を対象にした車検など利益率の高い自動車整備が好調だったことがある。だが、静岡県でも8店舗を展開するビッグモーターの不正請求発覚を受け、県内の中古車販売店からは不安の声が上がっている。

 

「ビッグモーターの問題以降、お客さまに自動車整備の見積もりを出すと金額について説明を求められることが増えました。こちらとしては安全に車に乗るために必要な提案を理由と合わせて説明していますが、不信感が伝わってきます。中にはクレームに近い指摘を受けたり、値引きを強制されたりします」

 

帝国データバンクによると、ビッグモーターの売上高は市場シェアの15%を占める。業界最大手の不正は業界全体への不信感につながり、中古車需要が低迷する可能性が懸念されている。前出の中古車販売店は、こう話す。

 

「車の購入者は車の知識が少ない人の方が多いです。中古車の販売や車の整備は、お客さまとの信頼関係で成り立っている部分が大きいです。不備のある車に乗れば命にかかわる危険があるので、新車の購入に人が流れてしまうのではないかと心配しています」

 

好調だった中古車市場に水を差したビッグモーターの不祥事。帝国データバンクは「ビッグモーターによる不正の影響を受け、消費者の不信感などから中古車需要の減少など風評悪化が懸念される。旺盛な中古車需要と販売単価の上昇に支えられた中古車販売市場の拡大ペースは2023年にも一服する可能性がある」と分析している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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