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2024/02/26

熱海市で静岡県初の宿泊税導入へ 「税金に頼り過ぎ」、「観光客が減る」の声も

観光地や別荘地として人気が高い熱海市

■1人1泊200円の宿泊税 来年4月に導入へ

観光地として人気の静岡県熱海市が、県内初となる宿泊税の導入を進めている。1人1泊200円と金額は高くないが、熱海市では入湯税や別荘勢も徴収していることから、「税金に頼り過ぎ」、「観光客が減るのではないか」という声も出ている。

 

今月21日に開会した熱海市議会で、宿泊税条例案が上程された。斉藤栄市長は所信表明で「使途を観光振興に限定した法定外目的税となる宿泊税を導入し、熱海に宿泊される観光交流客の皆さまのニーズを捉え、満足度の高い施策を展開したいと考えております」と述べた。

 

宿泊税条例案は12歳以上を対象に、1人1泊200円を徴収する。熱海市は約7億円の税収を見込み、観光振興に活用するという。新年度当初予算案では、宿泊業者の徴収システムを改修する補助費や、宿泊税を周知するポスターの作製などの予算として約1億2800万円を計上した。

 

予算案や条例案は3月14日の市議会定例会の最終日に議決される。可決されれば、宿泊税は来年4月から導入される。

 

■東京都や金沢市など9つの自治体 すでに宿泊税導入

熱海市では現在、温泉施設の利用者から1人150円の入湯税を徴収している。入湯税を導入している自治体は全国的にも珍しくない。宿泊税は入湯税とは別になるため、宿泊者は計350円を支払うことになる。

 

宿泊税は都道府県や市区町村が条例を定めて課す法定外目的税となっている。宿泊業者が料金に上乗せして宿泊客から徴収して、自治体に納付する。すでに東京都や大阪府、金沢市や長崎市など9つの自治体が導入している。

 

熱海市の他にも浦安市や松江市などでも検討されていて、宿泊税はスタンダードになる動きもみられる。ただ、熱海市民からは「熱海の観光客は首都圏からの学生も多いので、宿泊税の負担を嫌がって箱根や湯河原に行き先を変えるのではないか」といった不安の声も出ている。

 

また、市民からは「税金に頼り過ぎ」、「市外、県外の人に冷たい印象を与えかねない」という指摘もある。その理由に挙げるのは「別荘等所有税」。熱海市は日本で唯一、別荘の所有者に税金を課している。

年間を通じて開催されている海上花火大会は熱海を代表するイベント

■別荘所有者には別荘税 固定資産税や市県民税とは別

別荘税は延床面積1平方メートルに付き年額650円。もちろん、固定資産税とは別の税金になる。熱海市は市内に住民票がなく、家屋を所有している人に課税する理由を次のように説明している。

 

「リゾートマンションなどの建設に伴いゴミ処理や消防梯子車、上下水道の整備など行政需要の増大に対処するため、非居住者にも固定資産税・都市計画税・市県民税の均等割以外にも住民税に代わる負担をしてもらうため国と協議の上、別荘等所有税が導入されています」

 

別荘の所有者には市民税と県民税も均等割が課税される。別荘税は固定資産税との二重課税ではないかという指摘に対し、市は「固定資産税は家屋の価格(評価額)、別荘等所有税は延べ床面積をそれぞれ課税標準と して課税されており、課税標準が異なっていますので二重課税とはなりません」としている。

 

別荘の所有者にも宿泊客にも複数の税金を課す熱海市。訪れる人に快適な環境を提供する目的を果たすための課税ではあるが、理解を得られなければ熱海から人が離れていくだろう。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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