生活に新しい一色
一歩踏み出す生き方
静岡のニュース・情報サイト

検索

情報募集

menu

2022/08/19

野球とサッカーで対応違うワケ ジュビロ磐田が全国大会辞退した高校激励する親善試合

ジュビロ磐田は磐田東と親善試合を企画

■磐田東は17年ぶりにインターハイ切符も部員1人が陽性で出場辞退

失意に沈んだ高校生に思い出をつくってもらう。J1ジュビロ磐田が20日、静岡県磐田市にある磐田東高校サッカー部と親善試合を開催する。磐田東高は17年ぶりの全国高校総体(インターハイ)への切符を掴んだが、部員1人が新型コロナウイルスに感染したため、出場を辞退。ほぼ同じ時期に開催されている夏の甲子園では部員に感染者が出ても選手の入れ替えを認めるなどの対応が取られ、議論が巻き起こっている。

 

目標の舞台に立てなかった選手たちが再び前を向いて、サッカーを楽しんでほしい。ジュビロが地元の高校に手を差し伸べた。20日に磐田東高サッカー部と親善試合を行う。

 

ジュビロや磐田東高によると、山田大記選手と小川大貴選手が発起人となって試合が企画された。会場はジュビロのホームグラウンド、ヤマハスタジアム。30分ハーフで2本実施する。

 

磐田東高は今夏、17年ぶりにインターハイ出場を決めていた。しかし、大会直前に部員1人が新型コロナに感染していることが判明。大会規定に従って、出場を辞退した。全国の舞台でプレーする機会を失い、泣き崩れる部員もいたという。この事態に、ジュビロが行動を起こした形だ。

夏の甲子園はインターハイと異なる新型コロナ対応

■夏の甲子園は4校が集団感染 選手入れ替え、日程調整で対応

磐田東高が出場辞退したことを受け、大会運営の方法に賛否両論が巻き起こっている。比較対象となっているのが、現在開催中の全国高校野球選手権。夏の甲子園ではベンチ入りメンバーに感染者が出た場合、選手の入れ替えが認められている。

 

また、組み合わせ抽選前に集団感染が判明した4校に対して、回復までの期間を確保するため、初戦が最も遅くなる日程を組んだ。結果的に、全ての高校が大会に出場している。

 

サッカーも野球と同じ対応ができないのか。物理的には可能だが、競技特性の違いがハードルになっているとスポーツ紙の記者は指摘する。

 

「サッカーは野球と違って接触プレー、密集が避けられないスポーツです。基本的に走っているので息切れしますし、大きな声で指示を出すので、感染リスクは高くなります。新型コロナの検査は精度に疑問があります。仮にメンバー1人に陽性者が出たチームが全メンバーの検査をして陰性だったとしても、相手チームに感染が広がる不安は小さくありません」

 

新型コロナ感染者が判明した際の対応は、競技によって異なる。さらに、同じ競技でも大会を運営する組織によっても違いがある。例えばスポーツ庁が全ての競技や大会に基準を求めるようなことをしない限り、今後も同様の不平等感や疑問は消えない。

 

目標としていた全国大会が目前でかなわなくなった磐田東高の無念は消えないだろう。だが、プロチームとプロのホームでする試合も代えがたい貴重な経験になるはずだ。

 

親善試合は20日午前10時キックオフで、磐田東高の生徒と選手の家族のみ観戦できる。一般向けには、日本テレビ系「第一テレビ」の公式YouTubeでライブ配信が予定されている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

関連記事