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2024/03/18

「パートにするぞ」の脅しも…半数近くが残業の強制経験 手当てが出ても定時希望が主流

■週20時間以下の残業が61% 46時間以上は9%

静岡市にも静岡支社を置くなど全国展開する総合転職エージェント・ワークポートが、残業に関する意識調査を実施した。手当てが支給されても残業をしたくないと答えた人の割合は6割を超え、プライベートな時間を重視する働き方が多数派となった。ただ、残業を強制されるケースが少なくない現状も明らかになった。

 

ワークポートは2月下旬から3月上旬にかけ、全国で仕事をする20~40代の男女を対象に残業をテーマにしたアンケートを行った。インターネットによる調査で、631人から有効回答を得た。

 

その結果、月平均の残業時間は「1~5時間」が最も多く、全体の16.8%に上った。次いで、「残業なし」が13.8%、「16~20時間」が11.9%。週20時間以下が61.2%と6割以上を占めた。「46時間以上」は9.4%だった。

 

残業時間が少ない人は残業する理由について「突発的な業務の対応」や「顧客対応が長引く場合」といったイレギュラーな内容が多かった。一方、残業時間が多い人からは「仕事量に対して人が足りない」、「残業が当たり前になっている」などの意見が挙がった。

 

■「定時で帰るな」、「帰れない雰囲気」 旧態依然の企業も

最近はワークライフバランスの考え方が広がり、残業への意識が変化している。残業手当てが支給されても「全くしたくない」と「あまりしたくない」を合わせた割合は62.5%に上った。その理由には「自分の時間や家族の時間を確保したい」、「私生活が大切だから」、「疲労やストレスをためずに翌日健やかに仕事をしたいから」とプライベートを重視する意見が多い。

 

また、残業が職場での評価につながるかを問われると、3人に2人が「感じない」と答えた。残業が当たり前で、会社に残っている時間が長いことが努力と評価された時代は過去の産物になりつつある。

 

ただ、意図しない残業を強いられた割合は46.2%と半数近くに達している。中には、「社長に定時で帰るなと言われた」、「上司に帰ることができない雰囲気をつくられる」、「社長の妻に、残業しないとパートにするぞと脅された」といった深刻な回答もある。

 

「勤務先が十分に残業対策をしているか?」という質問には、「全くそう思わない」と「あまりそう思わない」の合計が64.6%となっている。働き方改革法案によって労働時間の上限が規制されて人手不足が懸念される「2024年問題」まで2週間と迫っているが、今回のアンケート結果は残業に対する企業と従業員のギャップを浮き彫りにしている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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