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2024/03/03

3月の食品値上げ前年から8割減 チョコレート・ケチャップ・ジュースは上昇続く見込み

■人件費上昇や2024年問題 今後の値上げ要因に

民間の調査会社・帝国データバンクは、食品主要195社の価格改定動向を調査した。3月に値上げする食品は728品目で、昨年の同月から8割減少となった。値上げが目立つのは「ビーンショック」によるチョコレート菓子。今後は調味料を中心にまとまった値上げが発生する可能性があるという。

 

帝国データバンクによると3月に値上げする食品は728品目で、昨年同月の3508品目から大幅に減った。今年は1月が310品目、2月は1626品目と、毎月2000品目以上が値上げされていた昨年半ばまでと比べると、低い水準で推移している。

 

3月の値上げは、レトルトや冷凍といった「加工食品」が407品目と最も多い。次いで「菓子」の147品目、「酒類・飲料」の73品目となっている。菓子はチョコレートの加工製品が中心。天候不順で不作だったカカオ豆の価格が急騰している「ビーンショック」の影響が出ている。

 

原材料費の高騰は落ち着いてきたが、今年はカカオ豆に加えてトマトやオレンジなど局地的に価格が上昇している原材料もある。ケチャップやジュースも値上げが続くとみられる。帝国データバンクは「足元ではコショウといったスパイス製品、大豆、畜肉製品などで価格の上昇や高止まり傾向がみられ、早ければ5月以降に調味料類を中心にまとまった値上げが発生する可能性がある」と指摘している。

 

今後値上げにつながる要因には、賃上げに伴う人件費の増加や2024年問題を受けた物流費の増加を挙げる。産業用資材やトイレットペーパーなどの日用品はすでに、原材料以外の影響による値上げが顕在化しているという。今年の見通しについては「値上げは最大1万5000品目前後、月平均で1000~2000品目前後の緩やかな値上げペースが続くと想定される」と分析している。

 

年間の値上げ品目数は2022年が2万5768品目、2023年が3万2396品目だったことから、1万5000品目前後となれば大幅に少なくなる。ただ、過去2年は記録的な値上げラッシュだった。現在も原材料高の再燃や人件費の高騰、2024年問題と不確定要素が少なくないことから、値上げ品目が予想を上回る可能性もある。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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