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2024/01/11

地域の埋もれた魅力掘り起こす 意外な業種の組み合わせが相乗効果 静岡でも広がる「まいぷれ」

静岡市ではテクノメイトが運営している「まいぷれ」事業

■電気設備工事会社「テクノメイト」 静岡市で「まいぷれ」運営

一見、親和性が低そうな2つの事業は新たな可能性を広げる。静岡市の電気設備工事会社「テクノメイト」は、地域おこし事業「まいぷれ」に参画して1年が経つ。全国でフランチャイズ展開する「まいぷれ」事業のノウハウが電気設備工事の事業に生きるだけではなく、まいぷれ運営を通じて魅力が十分に知られていなかった情報を発信して地域貢献の役割を担う目的もある。

 

きっかけは1本の電話だった。2022年10月、テクノメイトの田中航社長は、千葉県船橋市に本社を置くフューチャーリンクネットワークから連絡を受けた。まいぷれ運営の参画を提案する内容だった。

 

フューチャーリンクネットワークは、地域の情報を発信するサイトやSNSなどで発信するサービス「まいぷれ」を運営している。サービスを利用するのは飲食店や美容室をはじめ、習い事教室やレクリエーション施設など多岐に渡る。まいぷれの特徴は、パートナーと位置付けられた各市町村にある企業が、地元の店舗と直接連携し、情報発信を支援するところにある。

 

「まいぷれ静岡」として静岡市で活動しているパートナーがテクノメイトだ。テクノメイトは住宅やマンション、工場や公共施設の電気設備を中心に空調工事や防犯カメラの設置といった生活に不可欠な事業を手掛け、地域に根差している。

左からテクノメイトの田中社長、まいぷれ事業責任者の田中さん、営業担当の増田さん

■まいぷれ参画は「社内の仕組みづくりに生きる」

田中社長は、まいぷれのサービス内容に関心を持ち、フューチャーリンクネットワークの担当者と面談した。だが、一度は提案を断ったという。

 

「まいぷれ自体は興味深い内容でしたが、店舗への営業経験のない私には難しいと判断しました。会社を創業して23年経ちますが、営業をせずに現場で仕事を取ってきましたから」

 

田中社長は1つ1つの仕事を丁寧に仕上げて相手から信頼を得て、お客さんの紹介や口コミで事業を拡大してきた。ただ、従業員が増えてきたことで、営業で受注を増やしていく必要性も感じていた。

 

「まいぷれは、どのように営業しているのか、どうやってフランチャイズ化して長く事業を継続しているのかに興味がありました。まいぷれに参画することで、電気工事設備の事業でも社内の仕組みづくりに生きると感じていました」

 

まいぷれをやってみたい。でも、営業には自信がない。田中社長が相談したのは、現在まいぷれの事業責任者を務める息子の田中晃希さんだった。飲食店を営む晃希さんは人脈が広く、人と接するのが好きな性格。まいぷれ事業をともに進める仲間も頭に浮かんでいた。田中社長は悩んだ末、昨年1月にまいぷれ参画を決めた。

情報の発信だけではなくイベント開催などで店舗をサポート

■情報掲載にとどまらないサービス 店舗を支え、店舗をつなぐ

現在、まいぷれ静岡は晃希さんを中心に3人のスタッフで利用店舗を増やしている。エリアは静岡市全域と広い。フューチャーリンクネットワークでの研修を経て半年ほど前にサイトをオープンし、順調に利用店舗を増やしている。

 

店舗との接点はInstagramのダイレクトメッセージや飛び込み営業、知り合いの紹介など様々。晃希さんは「先入観を持たず、多くの店舗に連絡を取っています。職種や世代が異なる方々とお話するのは新しい知識や発見につながるので楽しいです」と話す。

 

店舗への営業を担当する増田智裕さんも、地域の魅力を掘り起こして発信する仕事に充実感を抱いている。営業は初めての経験ながら「難しさよりも楽しさが勝っています。まいぷれを利用する業種はグルメや美容に特化しているわけではないので、自分の知らなかった世界を知るおもしろさ、埋もれがちな魅力を発信するやりがいを感じています」と語る。

 

まいぷれのサービスはサイトに店舗の情報を掲載して終わりではない。利用店の悩みを解決したり、利用店同士をつなげたりする役割も担う。まいぷれ静岡では昨秋、利用店を集めたマルシェを開催した。キッチンカーやハンドメイドの体験、物販など、まいぷれでつながった異業種の人たちが交流を深め、商品やサービスもPRした。

まいぷれの利用店舗同士をつなげるマルシェは大好評

■埋もれた魅力を発信 地域貢献&地域活性化

マルシェの開催は、まいぷれ利用店の希望を形にしたイベントだった。静岡市はプライベートサロンのように個人経営の店が多く、晃希さんや増田さんは「商品やサービスを発信する方法が分からない」という悩みを聞いていた。そこで、2人はマルシェを企画し、まいぷれ静岡の認知度アップにもつなげた。増田さんが語る。

 

「まいぷれに情報を載せて終わりではなく、プラスアルファに魅力を感じて掲載しているお店もあります。まいぷれを見たというお客さんの声が届いていると喜んでいるお店の方もいます」

 

田中社長は晃希さんや増田さんから、まいぷれ静岡の現状や営業の現場で感じたことを定期的に聞いている。そして、電気設備工事の事業とまいぷれの相性の良さや新たな可能性を感じている。まいぷれ静岡を利用する店の電気工事を担当したり、逆に電気工事を担当した店舗にまいぷれ静岡の利用を紹介したりする相乗効果に加え、より地域に貢献できる方法をイメージしている。

 

「まいぷれの特徴を生かせば、私たちの会社が現在主軸としている電気や空調以外のサービスも展開できると感じています。電気や空調の工事で伺ったお客さまからは、困った時や緊急時にどこに連絡して良いか分からないという声を聞きます。まいぷれを通じて地域のつながりを深めれば、解決できる問題があると思っています」

 

晃希さんと増田さんも業務で静岡市内を幅広く回ることで、まいぷれが持つ可能性を実感している。静岡市は葵区、駿河区、清水区とそれぞれの区に特徴がある。地元の人にさえ、あまり知られていない魅力ある店がまだまだあるという。2人は「埋もれている情報を発信して静岡市を好きになってもらえれば、地域活性化や地域貢献につながります。利用店同士の関わりが深くなれば新しい商品やサービスも生まれていくと考えています」と声をそろえる。

 

電気設備工事と地域の魅力を掘り起こす「まいぷれ」。2つの事業は1+1以上の効果を生み出し、地域の活力や潜在能力を引き出している。

 

(間 淳/Jun Aida

★まいぷれ静岡公式Instagram

まいぷれ静岡(@mypl_shizuoka) • Instagram写真と動画

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