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2024/04/13

駿河湾フェリー運賃半額 26日まで先着5000人 経営厳しく自治体の負担は増加

■大人は2000円→1000円 券売窓口で申込書提出

駿河湾フェリーが4月26日まで先着5000人を対象に、運賃を半額にするキャンペーンを実施している。大人は通常2000円の運賃が1000円となる。駿河湾フェリーを運航する一般社団法人「ふじさん駿河湾フェリー」は、こうしたキャンペーンで利用者を増やしているものの、自治体の支援なしに運営するのは難しい状況が続いている。

 

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今回のキャンペーンは駿河湾フェリーの船体を黄金色に塗装した黄金フェリーの運航を記念したもので、3月26日から3日間行った半額割引きの第2弾となる。対象の便は清水港と土肥港から出港する全ての便。通常は普通車4000円、大人2000円、小学生1000円の運賃が半額となる。

 

キャンペーンの対象は先着5000人で、上限に達した時点で終了となる。出航の45分前までにフェリー券売所へ行き、窓口で半額利用申込書を提出する。他の割引き制度との併用は不可。各便に定員があり、フェリーの運航状況は当日の午前6時半にホームページで発表される。

 

新型コロナウイルス感染拡大による行動規制が緩和され、駿河湾フェリーの利用者は増加している。昨年度は2年連続で10万人を超えた。ただ、新型コロナ前の水準には戻らず、目標の数値に達していない。

船体を黄金色に塗装した黄金フェリー(公式Xより)

■収支均衡の時期を2027年に変更 自治体の負担金も増加

ふじさん駿河湾フェリーの2022年度の決算は1196万円の黒字で、5235万円の赤字だった前年度から転換した。ただ、この中には県や周辺市町の負担金、今回のような運賃半額キャンペーンに充てる県の補助金といった支援も含まれている。実質的には赤字と言える。

 

2023年度は燃料費の高騰も重なって6900万円近い赤字になる見通しで、苦しい状況が続いている。一般社団法人「ふじさん駿河湾フェリー」は県と静岡市や伊豆市など3市3町が設立した法人で、自治体によって経営が支えられている。

 

当初は2024年度までに県と市町が毎年負担する1億円200万円を加えて、収支を均衡するとしていた。だが、2023年度は赤字となり、利用者の数も想定を大幅に下回ったため、今年3月に収支の均衡を目指す時期を2027年度に修正。さらに、自治体の負担金を2026年度までの3年間で2億6000万円追加する。

 

ふじさん駿河湾フェリーの計画では、2027年度の利用者を18万1000人としている。2023年度は10万3000人と見込まれているため、4年間で8割増やす必要がある。運賃の割引きは一時的な利用者増加につながるかもしれない。だが、根本的な解決策を講じなければ、赤字が続く状況の好転は期待できない。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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