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2025/05/09

これもセクハラ!? 書道の授業で“背後から手を重ねて” 児童生徒101人が「嫌な思い」

■静岡県教委が調査 セクハラ感じた児童生徒は101人

県内の児童生徒101人が「セクハラを受けたと感じた」と回答した。静岡県教育委員会が、県立学校および公立小中学校の児童生徒を対象に実施した「2024年度セクシュアル・ハラスメントに関する実態調査」の結果を公表した。道の授業で教員に背後から手を添えられるなど、日常の中に潜む違和感が多数報告された。

 

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調査はセクハラの早期発見と教職員・児童生徒双方の意識啓発を目的に行われた。2024年11月から2025年3月にかけて実施され、小学5年生から高校3年生まで約14万5919人の児童生徒が対象となった。子どもたちは無記名で回答し、担任を通さずに学校管理職が回収することで自由に声を上げやすい仕組みとされた。

 

調査の結果、「セクハラを受けたと感じた」と回答したのは101人に上った。内訳は小学校41人、中学校38人、高校21人、特別支援学校1人。昨年度の103人と数字は大きく変わらず、不同意わいせつや盗撮等、わいせつ行為に関する回答はなかった。

 

■教師の「意図しない接触」 児童生徒の不快な体験に

報告された事案には、教職員による不適切な接触や発言が含まれる。例えば、以下の内容がセクハラと捉えられている。

 

・背後から抱きつくような形で筆を持った手を重ねられた

・褒められた際に頭をなでられた

・スカートの短さを注意された際に制服の腰を触られた

・授業中、実験の説明や支援の時に距離が近い

 

こうした「意図しない接触」や「不必要な接近や凝視」が、子どもたちにとっては不快な体験になっていることが明らかになった。また、「下ネタを言われた」、「体重が増えたかを尋ねられた」、「男のくせに泣くなと言われた」など、発言によって羞恥心や性差別を感じたという報告も多数あった。教員の言動が無意識のうちに生徒を傷つけているケースが浮き彫りとなった。

 

なお、懲戒処分や犯罪に該当するような重大な事案は確認されなかったが、報告があった内容については各学校で該当教職員に注意指導が行われたという。再発防止に向け、継続的な観察と改善指導が続けられる。県教育委員会は今後、6月の「不祥事根絶推進月間」に合わせて、今回の実例を元に教職員向けのチェックリストを作成し、日頃の言動を見直す契機とする方針だ。

 

調査結果からは、子どもたちが「嫌だった」と感じる経験が必ずしも明確な暴力やわいせつ行為でなくとも、心理的負担や不信感につながっている。同じ言葉や態度であっても、児童生徒の受け取り方は異なる。教師に求められる子どもたちとの信頼関係は、時代の変化とともに重要さを増している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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