2025/12/15
試合後も判定への怒り収まらず J3からJFLに降格 アスルクラロ沼津監督の発言に賛否
■勝利が絶対条件の入れ替え戦 1-1で引き分けて降格決定
静岡県沼津市をホームタウンとするサッカーJ3のアスルクラロ沼津のJFL降格が決まった。12月14日に行われた入れ替え戦の第2戦で、JFL2位のレイラック滋賀FCと1-1で引き分け。試合後、鈴木秀人監督は主審の判定に怒りを爆発させた。そのコメントに賛否が巻き起こっている。
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入れ替え戦の第1戦に2-3で敗れたアスルクラロ沼津は、90分以内でJ3残留を決めるには、第2戦で2点差以上の勝利が必要だった。しかし、前半22分に先制を許す。その2分後に追いついたが、その後は得点を奪えない苦しい展開が続いた。
そして、後半38分に途中出場のMF柳町魁耀選手が相手選手への報復行為でレッドカードを受ける。さらに、終了間際にはGKジローン・ゲギム選手が相手選手を倒して一発退場となった。9人での戦いを強いられたチームは、そのまま1-1で引き分けた。
アスルクラロ沼津は2戦合計3-4で敗れ、来シーズンは10年ぶりにJFLでの戦いが決まった。今シーズン終盤からチームを指揮してきた鈴木監督は試合後の会見で怒りを爆発させた。

アスルクラロが本拠地とする「愛鷹広域公園」
■「レフェリングは非常に不満」 試合後の会見で鈴木監督が怒り爆発
指揮官は「自分の力不足でこのような結果を招いてしまったこと、大変申し訳ございませんでした。この場でこうした発言をすることが適切ではないということも理解しています」と前置きした上で、こう話した。
「Jリーグの将来を考えた時に、このような非常に重要な試合において、曖昧なレフェリングをする場面が多くありました。選手やクラブが必死に、一生懸命やっている中で、これで人生が変わってしまったり、カテゴリーが変わってしまったりする責任感を持って、全員がやっています」
「きょうのレフェリングに対しては非常に不満があります。これはリーグの将来、未来に関わる非常に重要な問題なので、今一度、日本サッカーのために考えていただきたいというのはあります」
鈴木監督は試合中、判定に度々抗議していた。その不満は試合後も収まらなかった。このコメントに対し、賛否両論が巻き起こっている。静岡県民やサポーターらは「アスルクラロ沼津にとっては納得できない判定は多い試合だった。監督の怒りは理解できる」、「J3とJFLはチーム運営において大きな差がある。1つ1つの判定に正確性を求めるのは当たり前」など、擁護する意見が上がった。
■“棚ぼた”の入れ替え戦 「力の差を見せつけるべき」の声も
一方、厳しい声も少なくない。JFLで優勝したホンダFCはJ3昇格の意思がないため、アスルクラロ沼津は自動降格を免れた事情があったことから、「本来は入れ替え戦のチャンスすらなかったチーム。判定に不満を言うのではなく、力の差を見せつけて残留を決めるくらいの戦いを見せなければならない」という指摘もある。
また、「不満はあるかもしれないが、第1戦で敗れて、第2戦も得点できずに苦しんでいたのは事実。シーズンを通して結果を残せなかった現実を受け止めて再スタートを切ってほしい」、「相手チームや審判への敬意は大前提。自分の采配と選手のパフォーマンスを分析し、反省すべきところは次に生かしてほしい。不満の矛先を判定に向けるのは残念」などの声もあった。
アスルクラロ沼津は今シーズン、6勝10分け22敗の勝ち点28の最下位に終わった。クラブは「言葉では言い尽くせないほどの申し訳なさと、悔しさで胸が張り裂ける思いです。15試合が1点差での敗戦という結果が示す通り、積み上げるべき勝ち点を積み上げることができず、この勝負弱さが今回の結末につながりました」などとコメントしている。
(SHIZUOKA Life編集部)








