2026/08/03
1人で役員報酬134億円 トヨタ会長は21億円超で全国7位 従業員平均の210倍
■役員報酬1億円以上の開示 過去最多1345人
1人で134億1700万円――。上場企業が開示した2025年度の役員報酬で、これまでの最高額を30億円以上も更新する金額が明らかになった。報酬額が1億円以上と個別に開示された役員は1345人に上り、過去最多を更新した。愛知県に本社を置くトヨタ自動車の豊田章男会長は、報酬総額21億1300万円で全国7位。従業員平均の210倍となった。
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「東京商工リサーチ TSRデータインサイト」の調査によると、2025年度に役員報酬1億円以上を個別開示した上場企業は606社、対象者は1345人だった。前年度と比べて企業数は66社、人数は138人増え、いずれも調査開始以来の過去最多となった。調査は、2025年4月期から2026年3月期までに決算を迎えた上場企業3817社を対象に実施された。
開示企業数はコロナ禍の2020年度に382社まで減少したが、その後は5年連続で増加している。1億円以上の役員報酬を個別に開示する企業が広がっている。

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■報酬額1位は134億1700万円 トップ10のうち5人が外国人
報酬額のトップは、セブン&アイ・ホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント元取締役で、134億1700万円だった。役員報酬の個別開示が始まった2010年3月期以降、これまでの最高額は、ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ元取締役が開示した103億4600万円。今回の金額は、それを30億7100万円上回った。
ただし、134億1700万円のすべてが通常の給与や賞与ではない。このうち103億6800万円は、米国子会社のCEOを退任した際の退職手当だった。このほか、固定報酬や賞与、長期インセンティブなどが含まれている。今回の調査で発表された、役員報酬額の上位10人は次の通りとなっている。
【2025年度の役員報酬額ランキング】
1位:ジョセフ・マイケル・デピント氏
セブン&アイ・ホールディングス 134億1700万円
2位:レネ・ハース氏
ソフトバンクグループ 61億3900万円
3位:ステイシー・スミス氏
キオクシアホールディングス 44億3100万円
4位:十時裕樹氏
ソニーグループ 27億5700万円
5位:クリストファー・ウィルコックス氏
野村ホールディングス 25億6000万円
6位:クリストフ・ウェバー氏
武田薬品工業 23億1500万円
7位:豊田章男氏
トヨタ自動車 21億1300万円
8位:河合利樹氏
東京エレクトロン 20億5000万円
9位:岡藤正広氏
伊藤忠商事 19億8400万円
10位:奥田健太郎氏
野村ホールディングス 16億4400万円

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■トヨタ会長は21億1300万円 従業員平均の約210倍
上位10人のうち5人を外国人役員が占めた。10億円以上を開示した役員も前年度より4人増え、過去最多の24人となっている。愛知県豊田市に本社を置くトヨタ自動車の豊田章男会長は、報酬総額21億1300万円で全国7位に入った。
役員と従業員の格差を比べる調査では、退職金や株式報酬、ストックオプションなどを除き、基本報酬と賞与の合計額が使われている。豊田会長の基本報酬と賞与は計10億1600万円。トヨタ自動車の従業員の平均年間給与1006万円に対して100.9倍となり、調査対象の中で最も大きな差だった。株式報酬などを含む報酬総額21億1300万円で比べると、従業員平均の約210倍になる。
格差の2位は、野村ホールディングスのクリストファー・ウィルコックス氏で94.0倍。3位は日本ペイントホールディングスのウィー・シューキム氏で82.3倍だった。
■静岡県の企業 スズキやヤマハ発動機で1億円以上の役員報酬
静岡県に本社を置く企業でも、1億円以上の役員報酬が開示されている。浜松市に本社を置くスズキでは、鈴木俊宏氏の報酬総額が3億1500万円だった。内訳は基本報酬7200万円、業績連動報酬1億3000万円、株式報酬1億1200万円となっている。このほか、石井直己氏が1億8600万円、加藤勝弘氏が1億3000万円、岡島有孝氏が1億400万円で、計4人が1億円以上だった。
磐田市に本社を置くヤマハ発動機では、設楽元文氏が1億6300万円、渡部克明氏が1億3200万円を開示した。スズキとヤマハ発動機の2社だけで、1億円以上の役員は計6人に上る。
「東京商工リサーチ TSRデータインサイト」が公表した報酬額や開示人数の上位表に静岡県企業は入っていないものの、高額な役員報酬は全国ランキングに入った大企業だけの話ではない。1億円以上を開示した役員について、退職金や株式報酬などを除いた基本報酬と賞与を集計すると、平均額は1億1800万円だった。
一方、勤務先企業の従業員の平均年間給与は977万円で、その差は平均12.7倍。中央値で比べても9.7倍となった。前年度の平均13.4倍、中央値10.6倍から格差はやや縮小したものの、依然として10倍前後の開きがある。
役員報酬には、固定報酬だけでなく、業績に連動する賞与や株式報酬、退任時の手当も含まれる。そのため、金額の大きさだけで単純に比較することはできない。それでも、1億円以上を個別開示する役員が過去最多となる中、どのような成果や責任に対して報酬が支払われたのか。従業員の給与との差とともに、企業には分かりやすい説明が求められそうだ。
(SHIZUOKA Life編集部)








