2026/08/17
「ハチミツの概念が変わった」 偶然生まれた看板商品 ネーミング変更で人気拡大

長坂養蜂場で販売している「三代目の蜂蜜」
■概念が変わるハチミツ 長坂養蜂場の「二代目の蜂蜜」
ハチミツの概念を変える――。そう自信を持って勧めたい一品がある。浜松市の「長坂養蜂場」には、ハチミツやハチミツを使った商品が数多く並ぶ。その中でも、3代目がイチ押しに挙げるのは「二代目の蜂蜜」。実は、“偶然”から生まれたという。
パンやヨーグルトだけではない! 長坂専務オススメ ハチミツの意外な食べ方
今年で創業91年を迎えた長坂養蜂場は、地元・三ヶ日の特産となっているミカンのハチミツを看板商品として販売している。兄とともに3代目を継いだ弟で専務の長坂恭輔さんは「全国のみかんハチミツの中で、間違いなく一番おいしいと自負しています。雑味がありません」と自信を見せる。
長坂養蜂場はハチミツを採取する際、その場で遠心分離機にかけず、作業用の工場まで持ち帰る。山で分離機をかけると、ハチミツを守ろうとするミツバチやミツバチについた花粉がハチミツの中に入る可能性があるためだ。
不純物の混入を可能な限り防ぐ長坂養蜂場のハチミツは、おいしさも見た目の透明感も一味違う。特に人気が根強いのは、「二代目の蜂蜜」。長坂さんの父にあたる現在の会長が開発した商品で、長坂さんは「万人に好まれる味で、価格もお求めやすいです。ハチミツの概念が変わったというお客さまが多いです」と説明する。
「二代目の蜂蜜」は、2種類のハチミツをブレンドしている。ハチミツは採蜜する花によって種類が分かれ、一般的にレンゲ、アカシア、サクラなどがある。「二代目の蜂蜜」は、アカシアとミカンのハチミツをブレンドしている。

ロングセラーとなっている「二代目の蜂蜜」
■偶然生まれたブレンド 初代、三代目と食べ比べる楽しさも
この人気商品は、“偶然”から誕生した。長坂養蜂場では、長坂さんの祖父にあたる創業者の代からミカンハチミツを販売していた。5月に三ヶ日でミカンのハチミツ、その後に磐田市でレンゲのハチミツを採取していた。すると、1回目に採るレンゲのハチミツには、ミカンのハチミツがわずかに残っている。自然に混ざったハチミツが、何とも言えないおいしさをつくり出した。
ブレンドによって味が引き立つハチミツもあると知ったことから、2代目は開発に乗り出した。ミカンとアカシアを混ぜ、日本人の口に合うさっぱりとしたクセのないハチミツに仕上げたのが「二代目の蜂蜜」なのだ。当初は「長坂の蜂蜜」の商品名で販売していたが、3代目の長坂兄弟がネーミングを変更。それにより、興味を持って手に取る人が一気に増えた。
「二代目の蜂蜜」のファンとなった人たちは、初代や3代目のこだわりも知りたくなる。そこで、長坂養蜂場は「初代の蜂蜜」を復刻し、2年前からは「三代目の蜂蜜」の販売を始めた。「初代の蜂蜜」は三ヶ日みかんとレンゲ、「三代目の蜂蜜」は三ヶ日みかんにハンガリー産のアカシアをブレンドしている。ハンガリーは世界的なハチミツ大国で、中でもアカシアは国策で木を増やすほど力を入れているという。
初代から3代目まで、91年間紡がれてきた長坂養蜂場のハチミツ。その歴史があるからこそ、それぞれ異なる味わいを食べ比べる楽しみがある。
(間 淳/Jun Aida)









