2026/08/20
新聞販売店の倒産3割増加 全国紙も地方紙も苦戦 静岡新聞は3年半で10万部以上減少
■1~7月の新聞販売店倒産31件 過去20年間で2番目
新聞を各家庭に届ける販売店の倒産が増えている。今年1~7月は31件に達し、昨年同期から約3割増加した。背景には、長く続く新聞の部数減や人手不足、コスト上昇がある。静岡県でも静岡新聞が2023年に夕刊の発行を終え、朝刊の発行部数は2022年10月から2026年3月までに10万部以上減っている。
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東京商工リサーチが公表した集計によると、今年1~7月の新聞販売店の倒産は31件で、前年同期の24件から29.1%増えた。1~7月としては、2007年以降の20年間で2024年の33件に次いで2番目に多い。このペースで推移すると、年間50件を超える可能性もあるという。調査は、日本標準産業分類の「新聞小売業」のうち、負債1000万円以上の倒産を集計している。
倒産原因では「販売不振」が24件で最多だった。「既往のシワ寄せ」2件を合わせた「不況型倒産」は26件で、全体の83.8%を占める。人手不足による倒産も4件発生し、このうち3件は求人難だった。新聞用紙やインクなどの原材料価格、輸送コストの上昇も販売店の負担となっている。
倒産した31件のうち27件は破産で、構成比は87.0%。負債1億円未満の倒産が26件と83.8%を占め、小規模な事業者の倒産が目立つ。一方、負債5億円以上の倒産も1件あり、東京商工リサーチによると、過去20年間で初めて発生した。

新聞の発行部数減少に伴って増加する販売店の倒産
■新聞の総発行部数25年間で半分以下 相次ぐ発行休止
販売店を取り巻く環境が厳しくなっている大きな要因の1つが、紙の新聞の発行部数減少だ。日本新聞協会によると、昨年10月時点の新聞総発行部数は2486万8122部。2000年は5370万8831部だったため、25年間で半分以下になっている。昨年は前年から174万8456部、率にして6.6%減少している。1世帯当たりの部数も0.42部にとどまる。
紙の発行体制を見直す動きも相次ぐ。今月6日には産経新聞社が東北6県で産経新聞とサンケイスポーツの発行を今年11月30日で休止すると発表した。昨年8月には朝日新聞、産経新聞、毎日新聞が土曜日の夕刊を休止している。新聞を読む人が減り、地方紙の休・廃刊を含めて新聞発行の縮小に歯止めが掛からない。
静岡県でも紙の新聞を巡る環境は変化している。静岡新聞は2023年3月31日を最後に夕刊の発行を終了し、4月から「朝刊+デジタル」に移行した。夕刊は82年の歴史に幕を下ろした。
発行部数も減っている。静岡新聞社の企業情報では、2022年10月時点の朝刊発行部数は53万2205部だった。だが、今年3月は約42万5800部まで減少。3年5カ月で約10万6400部、率にして約20%減ったことになる。

写真はイメージ
■東京に次ぐ愛知の倒産件数 廃業・解散する新聞販売店も増加
愛知県を中心に東海地方で広く発行されている中日新聞の発行部数は、昨年7~12月の半期平均で161万4901部となっている。中日新聞社が発行する中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞、日刊県民福井などを含む新聞総発行部数は228万4244部としている。東京中日スポーツは現在、紙ではなく電子版のみとなっている。
新聞販売店の倒産は、愛知県でも目立っている。東京商工リサーチによると、昨年度に倒産した新聞販売店は全国で43件に上り、過去30年間で最多を更新した。都道府県別では東京都の8件に次いで、愛知県は2番目に多い5件となっている。
販売店では、新聞を届ける人材そのものも減っている。日本新聞協会によると、新聞販売所の従業員は2001年の46万4827人から、昨年には19万5551人まで減少した。初めて20万人を割り込み、2001年と比べると6割近く減っている。
事業者が姿を消すのは倒産だけではない。東京商工リサーチによると、昨年に休業、廃業、解散した新聞販売店は170件に達し、2013年以降で最多となった。
新聞販売店は購読料に加え、折り込み広告の配布手数料も重要な収入源としてきた。一方、部数が減っても配達には人材や車両などが必要となる。地方では特定紙だけを扱う「専売店」から複数紙を扱う形態へ転換したり、食品販売や宅配など新聞以外の事業に進出したりする販売店も出ている。紙の新聞が縮小する中、地域の配達網を担ってきた販売店は、事業をどう維持するのか岐路に立たされている。
(SHIZUOKA Life編集部)








