2026/09/26
「昼も夜も暑かった」 訪問せず調査票作成で解任 統計調査員に同情集まるワケ
■統計調査員を解任 80事業所訪問で報酬5万円
「昼も夜も暑かった。ほかのことも忙しかった」――。事業所を訪問して調査する役割を担いながら、訪問せずに自ら調査票を作成して県へ提出していた70代の男性統計調査員が解任された。一見すると厳しい批判が集まりそうな事案だが、男性に同情する声も少なくない。
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静岡県は9月24日付で、70代の男性統計調査員を解任した。この男性は、国の「毎月勤労統計調査特別調査」で掛川市の一部を担当していた。県によると、担当区域内の約80事業所をすべて訪問して調査すべきところ、外観を確認しただけで訪問せず、自ら調査票を作成して県に提出していた。
問題が発覚したのは、提出された調査票を受け取った県職員が対象事業所に確認の電話をかけたことがきっかけだった。男性は事実を認め、「暑くて回れなかった」「用事が忙しかった」などと説明している。
男性は2025年と2026年の2回、統計調査員を務めていた。2026年分の報酬約5万円について県は支給せず、2025年分については厚生労働省と相談して対応を決めるという。
毎月勤労統計調査特別調査は、常用労働者1~4人の事業所を対象に、雇用や給与、労働時間などを調べる国の基幹統計調査。年1回、7月分について実施され、調査結果はGDP統計の作成などにも利用される。調査対象地域の最新状況を把握するため、事前の「現況調査」では区域内の事業所を訪問し、事業所名や労働者数などを確認する。
統計調査員は調査期間中、非常勤の地方公務員として調査に当たり、調査で知った内容について守秘義務も課される。掛川市は統計調査員の一般的な報酬について、調査内容や受け持つ件数、区域によって異なるとした上で、2万円から5万円程度と案内している。

統計調査員の解任を発表した静岡県
■「金額設定がおかしい」 報酬の低さに同情の声
今回、ネット上で大きな関心を集めたのが報酬だった。男性が担当していた約80事業所と報酬約5万円から単純計算すると、1事業所あたり625円となる。インターネット上では男性の行為を問題視する一方、報酬の低さを疑問視し、男性に同情する声も相次いでいる。
「不正は当然責められるべきだが、80件で5万円はさすがに金額設定がおかしい」
「自分には無理だと思ったら辞めるべき。この猛暑で80事業所を回って5万なら、個人的には引き受けたくない」
「調査対象は労働者4人以下の小規模な事業所なので、日中に訪問しても対応できる人がいないケースも多いのではないか。不正をした男性の気持ちを理解できなくはない」
「訪問にする必要性を感じない。ウェブ回答にすれば済む。時代についていけていない行政らしい仕組み」
業務を引き受けた以上、定められた方法で調査することが求められる。報酬の多寡が、訪問せずに調査票を作成する行為を正当化するものではない。それでも、統計調査の方法や調査員の待遇など、制度そのものを議論する必要はありそうだ。
(SHIZUOKA Life編集部)








