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2022/10/29

「やさしい日本語」普及へ静岡県が全国初の取組み 覚えておきたい基本ルール

■「やさしい日本語」知らない人は45% 使っている人は11%

より多くの人が理解できる「やさしい日本語」を郵便局から広げていく。静岡県は、子どもや高齢者、外国人や障がい者にも分かりやすい言葉遣いを普及させるため、全国で初めて郵便局と連携する。郵便局の利用者への配慮と同時に、「やさしい日本語」を広く知ってもらう狙いがある。

 

「やさしい日本語」は難しい表現を言い換えるなど、相手が理解しやすいように配慮した日本語で、子どもやお年寄り、障がい者や外国人にも分かりやすい言葉を意味する。県は「言葉の壁のない静岡県」の実現に向け、「やさしい日本語」の普及に取り組んでいるが、まだ認知度は高くない。

 

2020年に実施した県の調査によると、やさしい日本語を知らない人の割合は45%、詳しくは知らないと回答した人は25%だった。「使っている」の11%、「理解している」の17%を大きく上回っている。

 

こうした課題を解決するため、県は日本郵便株式会社東海支社と連携し、郵便局の窓口で「やさしい日本語」の活用に取り組む。対象となるのは、東海エリアの静岡県、愛知県、岐阜県、三重県の郵便局で、まずは窓口担当者が接客に活用できる「やさしい日本語」の研修を受ける。

 

■一文は短く 難しい言葉や外来語、二重否定は避ける

「やさしい日本語」では不要な情報を削除し、優先順位の高い情報から順番に並べる。基本的なルールには、以下のようなものがある。

・一文を短くして、文の構造を簡単にする。

・難しい言葉を避けて、簡単な言葉を使う。

・外来語(カタカナ語)は、なるべく使わない。

・二重否定の表現は避ける。

・災害時によく使われる言葉や知っておいた方がよいと思われる言葉は、そのまま使う。その言葉の後に、かっこ書きで意味を補足する。

・漢字の使用量に注意し、全ての漢字にふりがなをつける。

 

■「おかけになってお待ちください」を言い換えると…

例えば、窓口対応で「身分証明書を見せていただけますか?おかけになってお待ちください」という表現は「車の免許証はありますか?見せてください。そこの椅子に座って、待っていてください。この番号を呼んだら来てください」などと言い換える。

 

大切なのは、一文を短くして、次に何をすればいいのかを分かりやすく伝えること。身分証明書よりも車の免許証や保険証の方が伝わりやすく、敬語は外国人や子どもには難しいケースがある。

 

他にも、県では次のような例を示している。「富士山クリーンアップ登山大作戦~富士山で歩いて、学んで、磨き上げ~」というイベントで参加者を募集する場合、「富士山に登りませんか?そして、富士山を一緒にきれいにしませんか?」と目的を簡単な日本語に言い換えて、漢字にはふりがなをつける。参加無料は「お金がかかりません」の方が分かりやすい。

 

言葉は相手に伝わって初めて意味をなす。自分自身が海外で生活する時や、年を取った時などを想像すれば、やさしい日本語の大切さが分かるだろう。

 

(SHIZUOKA Life編集部)

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