来春に予定されている静岡市長選は動きが活発化

■自民・山田県議が立候補表明、難波県理事は今週中に会見へ

来春に予定されている静岡市長選は構図が固まりつつある。現職を含む3人が立候補への意思を固めているが、この3人は前回2019年の市長選でも戦う可能性があった顔ぶれ。当時は出馬に踏み切れなかった2人が退路を断ち、4年越しの争いが実現するとみられている。

来年4月の任期満了に伴う静岡市長選は4日、自民党の山田誠県議が出馬会見を開いた。正式に立候補を表明したのは初めてで、無所属での出馬となる。静岡市出身の山田県議は現在5期目で、おととしから1年間、県議会議長を務めた。

今週中の出馬表明が確実視されているのが、静岡県の難波喬司県理事。今年5月まで副知事を2期8年務めた。10日に県理事の職を退き、翌日に記者会見を開くとみられている。

現職の田辺信宏市長も明言は避けているが、出馬の意向を固めている。関係者によると、すでに支援者らに4期目への意欲を伝えており、12月の市議会で立候補を表明する見通し。自民党静岡支部は田辺市長をこれまで通り支援する方針を示す一方、静岡市経済界からは難波県理事を推す声が大きくなっている。

■2019年は田辺氏が3選果たす　山田氏と難波氏は出馬画策も断念

実は、この3人は前回2019年の市長選で戦う可能性があった。難波氏は国土交通省の官僚時代から親交のあるベテラン政治家に相談するなど、出馬への準備を進めていたが、調整がつかず断念。選挙2か月前に会見を開いて不出馬を明言した。

一方、山田氏も出馬に向けて動いていた。田辺市長への批判票を取り込もうとしたが、支援者や自民党内から理解を得られず断念した。今回も田辺市長を支持する自民党静岡支部などは票が割れることを懸念し、山田氏に出馬を取りやめるよう求めている。しかし、山田氏の意思は固く、出馬の決意は揺るがないとみられている。

2019年は結果的に、旧静岡市長で自民党の県議だった天野進吾氏が田辺市長への対抗馬として、告示1か月前のタイミングで立候補。天野氏は、田辺市長との関係が良くない川勝平太知事と距離が近く、街頭演説では川勝知事の妻も支援を呼び掛けた。

2019年の市長選では田辺市長が天野氏と、共産党の林克氏を破って3選を果たした。来年4月に任期満了を迎える次期市長選では、4年越しの構図が現実味を帯びてきた。

（SHIZUOKA Life編集部）