2026/10/26
スズキ、ヤマハ、静岡新聞社も… 静岡県内でも相次ぐ情報漏洩 全国企業の16%が経験
自分が登録した名前やメールアドレスが、知らないうちに外部へ漏れているかもしれない。静岡県内では10月に入り、スズキやヤマハ、静岡新聞社などが相次いで個人情報の漏洩や、その可能性を公表している。
【役員報酬ランキング】トップは1人で134億円 トヨタは21億円 スズキやヤマハ発動機は?

情報漏洩を発表したヤマハ発動機
■企業の情報漏洩 スズキ、ヤマハ、ヤマハ発動機でも
帝国データバンクが全国の企業を対象にした調査では、全国の約6社に1社が過去に情報漏洩や、その可能性がある事案を経験したと回答した。大企業では3割を超え、情報が漏れたかどうか把握できていない企業も少なくない。
こうした発表は、静岡県内に本社を置く企業でも相次いだ。浜松市に本社を置く自動車メーカーのスズキは、四輪公式コミュニティサイト「スズキヴィレッジ」で会員約3000人分の情報が第三者に閲覧・取得された可能性があると発表した。対象となったのは、メールアドレスやニックネーム、性別、年代、居住する都道府県、所有車名などで、クレジットカード情報や決済情報は含まれていない。
同じく浜松市に本社を置くヤマハも、交流サイト「ヤマハネットワークエンジニア会」の登録者約1600人分の情報が漏洩したと発表した。メールアドレスや表示名、自己紹介、所属グループなどが対象となっている。
さらに、磐田市に本社を置くヤマハ発動機も、電動アシスト自転車の交流サイト「YAMAHA PAS Life」で約1600人分の会員情報が閲覧・取得された可能性を公表した。こちらは氏名や住所、生年月日、メールアドレスなどが対象となっている。

個人情報が第三者に閲覧・取得された可能性があると発表したスズキ
■全国で拡大 「コミューン」への不正アクセス
3社に共通するのは、交流サイトの基盤システムを提供する「コミューン」への不正アクセスが原因となった点だ。各社のシステムへの直接的な侵入は確認されていない。
コミューンは10月21日、その後の調査によって、サービス全体で延べ16万6505人の会員情報の漏洩を確認したと発表した。10月9日の初報では、漏洩した可能性のある人数を最大約30万7000人と推計していたが、詳細な調査によって対象人数を精査したという。このうち、メールアドレスを含む情報が漏洩したのは12万5601人だった。
別の外部サービスでも、情報漏洩の可能性が明らかになっている。静岡新聞社はウェブサイト制作サービス「Studio」への不正アクセスに伴い、利用者の個人情報が漏洩した可能性があると発表した。静岡新聞市民スポーツグラウンドゴルフの掲載申し込みフォームに入力された情報など最大3000件が対象で、申込者の氏名や電話番号、メールアドレス、入賞者の氏名が含まれる。このほか、SBS学苑の講師派遣依頼フォームなども対象となった。
■全国の企業16.2% 情報漏洩や可能性
情報漏洩は全国の企業でどれほど発生しているのか。帝国データバンクのアンケートによると、情報漏洩や、その可能性がある事案が「発生したことがある」と回答した企業は16.2%だった。調査は10月9~14日にインターネットで実施し、全国1328社から回答を得た。
発生時期をみると、直近1年以内が5.5%、1年以上前が10.7%だった。企業規模別では大企業が30.2%に達し、中小企業の14.3%を大きく上回った。小規模企業に限ると10.8%となっている。
大企業で情報漏洩の経験が多い背景には、取り扱う情報量や従業員数、取引先数の多さなどが考えられる。ただし、情報漏洩や不正アクセスを発見する体制が整っているため、事案を把握しやすいという側面もある。
情報が漏れる原因は、サイバー攻撃だけではない。調査では「メールの送信先を誤った」といった人為的なミスも報告された。他社の担当者を装ったメールを信用し、電話などで確認せずに情報を送ってしまったケースもあった。

静岡新聞社でも個人情報が漏洩した可能性
■「分からない」が14.8% 中小企業は対策に難しさ
一方、情報漏洩が「全く発生したことがない」と答えた企業は69.1%だった。「分からない」と回答した企業も14.8%に上った。小規模企業からは、データ処理の専門家がいないため、情報が漏れたかどうか判断できないという声も寄せられた。また、中小企業では費用や人材の不足から、十分な対策が難しいという課題も浮かび上がった。
帝国データバンクは、情報漏洩を起こさないための対策に加え、発生した際に早く気付き、迅速に対応できる仕組みが重要だと指摘する。自社で安全対策を進めていても、業務で利用する外部サービスが不正アクセスを受ければ、顧客情報などに影響が及ぶ恐れがある。
企業が扱う顧客情報には、一人一人の大切な個人情報も含まれる。情報を守る仕組みだけでなく、万が一の事態を見逃さない体制が、ますます求められている。
(SHIZUOKA Life編集部)








