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2023/01/15

パワースポット「夢のつり橋」4か月ぶり通行再開 湖がエメラルドグリーンに輝くワケ

国内だけでなく海外の観光客も訪れる夢のつり橋

■昨年9月の台風で通行止め 恋愛成就のパワースポット

静岡県有数の観光名所「夢のつり橋」が14日、通行再開となった。つり橋の中央で恋の願い事をすると叶うと言われるパワースポットで、橋から眺める湖はエメラルドグリーンやコバルトブルーに輝く。その神秘的な魅力や絶景から、「21世紀に残したい日本の自然100選」などに選ばれている。

 

4か月ぶりに観光客が戻ってきた。川根本町・寸又峡温泉の観光名所「夢のつり橋」は昨年9月の台風15号により、橋に続く遊歩道の一部が崩落。仮説の遊歩道が整備され、ようやく通行できるようになった。

 

寸又峡を含む大井川流域は、戦前から戦後にかけて水力発電の開発が進められ、夢のつり橋はこの地で暮らす人たちの生活道として使われていた。橋は高さ8メートル、長さ90メートル。寸又川をせき止めて造られた大間ダムの湖上にかかっている。

 

つり橋の中央で願い事をすると恋が実るという言い伝えがあり、恋愛成就のパワースポットとして知られている。若い女性やカップルに加えて外国人にも人気。混雑時は橋を渡るまでに2時間以上待つことも珍しくない。

 

夢のつり橋は「21世紀に残したい日本の自然100選」、「新日本の観光地100選」、トリップアドバイザーが選ぶ「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩つり橋10選」などに選ばれている。幻想的な雰囲気を作り出している要因が湖の色。湖の底まで澄んでおり、光の当たり方によってエメラルドブルーやコバルトブルーに見える。

エメラルドグリーンやコバルトブルーに見える湖

■「チンダル現象」で湖が美しい青色に 水質がきれいな証

水の透明さや色が変化する理由は「チンダル現象」にある。光の特性によって起こる物理化学の現象で、発見者のイギリス人物理学者チンダルの名前に由来する。

 

湖に光が差し込むと、水に含まれるわずかな微粒子が赤色の光を吸収し、青色の光だけを反射させる。光の当たり方で湖がエメラルドグリーンやコバルトブルーに見えるのだ。色の美しさは、水質がきれいな証と言われている。昨年9月の台風15号の影響で湖に土砂が流れ込み、一時は水に濁りが出ていたが元通りになった。

 

景色の美しさに橋の上で時を忘れたり、たくさんの写真を撮りたくなったりする気持ちは理解できるが、注意点がある。橋の定員は10人で、混雑時は一方通行となる。ルールを守らなければトラブルの原因となり、事故につながる恐れもある。

 

また、橋を渡り終わると、傾斜のある304段の登り階段が待っている。足腰や体力に不安がある観光客は「飛龍橋」方面へ進み、夢のつり橋を上から見る楽しみ方もある。

 

台風被害により、1年で最もにぎわうはずの紅葉シーズンに閑散としていた寸又峡温泉。夢のつり橋の通行再開に、地元では喜びと期待が膨らんでいる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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