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2023/01/24

リニア開業で静岡県のメリットは? 川勝知事が岸田首相に手紙 6つの質問に回答要望

リニア中央新幹線工事は静岡県とJR東海の話し合いが難航

■24日午前に岸田首相の事務所に手紙到着 JR東海への厳格な指導要請

JR東海と静岡県の間で交渉が難航しているリニア中央新幹線工事の問題で、川勝平太知事が岸田文雄首相に手紙を出したと明らかにした。手紙の中では、リニア開業による静岡県のメリットを丁寧に説明するよう岸田首相に要請した。

 

川勝知事は24日の定例記者会見で、リニア中央新幹線に関する感謝と要請を兼ねた手紙を岸田首相に送ったと明かした。24日午前に岸田首相の事務所に届いているという。

 

手紙では、昨年6月に岸田首相がリニア新幹線工事で水資源や環境保全等の課題解決に向けた取り組みを進めると閣議決定したことに感謝の気持ちを伝えた。そして、JR東海は水資源や環境保全のめどが立っていないにもかかわらず工事を進めようとしているとして、厳格な指導を要請した。

 

また、岸田首相が今月4日の年頭記者会見で「本年はリニア中央新幹線全線開業に向け大きな一歩を踏み出す年にしたい。リニア開業後の東海道新幹線における静岡県内の駅などの停車頻度の増加について、夏をめどに一定の取りまとめを行い、関係者に丁寧な説明を行っていきたい」と表明したことにも触れた。

 

川勝知事は、岸田首相の所信表明が品川―大阪間の全面開業を前提にしていることから、JR東海の見解を伝えている。JR東海は第一局面で品川―名古屋間を開業させ、経営体力を回復させてから第二局面で大阪までを開業させる二段階方式を想定。そのため、川勝知事は岸田首相に対し次のように手紙で伝えた。

 

「リニア開業のもたらす静岡県内の停車頻度増加などのメリットについては、品川―名古屋の部分開業による影響と、品川―大阪間の全線開業による影響を区別し、それぞれを分けて調査の上、丁寧なご説明をいただかなければなりません」

 

■リニア開業で静岡県のメリットは? 川勝知事が6つの質問

川勝知事は部分開業の場合、説明を求める事柄として6つを挙げている。

 

①部分開業後のリニア、のぞみの運賃料金の差

 

②部分開業にのぞみからリニアへ転換する乗客数の割合

 

③部分開業後の1時間当たりのリニア、のぞみ、それぞれの本数

 

④部分開業後の1時間当たりのひかり、こだまの本数

 

⑤部分開業後の1時間当たりのひかり、こだまの静岡県内6駅(熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松)の停車回数

 

⑥部分開業後のひかり、こだまの静岡県の6駅で短縮される停車時間

 

■2027年部分開業に向けJR東海の問題点も指摘

川勝知事は、これら6つに関するデータを求め「リニアの部分開業を予定している2027年から全線開業予定の2037年まで10年間において、静岡県が享受できるメリットをご教示ください」としている。

 

また、2027年の部分開業を困難にしている事案として「関東車両基地の用地が未取得」、「車両基地建設の工事工程表に示された建設期間は11年間」など、JR東海側の問題点を挙げた。

 

川勝知事は、車両基地がなければ開業できないことや、2027年の部分開業は現実的に難しいことを指摘。岸田首相に説明を要望している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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