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2023/02/15

甲子園常連校でサッカー部員も甲子園出場!? 初出場で驚きの静岡県大会優勝

静岡県代表として「スポGOMI甲子園」に出場した常葉大橘高校のスキッパー

■常葉大橘高校サッカー部 スポGOMI甲子園に出場

甲子園出場経験があり、プロ野球選手も輩出している静岡市の常葉大橘高校は、サッカー部の選手も甲子園に出場していた。昨年12月に開催された高校生のゴミ拾い日本一を決める「スポGOMI甲子園」に静岡県代表として出場。サッカー部で習慣にしている活動が全国の舞台へとつながった。

 

静岡県有数のスポーツ強豪として知られている常葉大橘高校。野球部は甲子園出場経験があり、阪神の高橋遥人投手らプロ野球選手も輩出している。

 

サッカー部も過去に全国高校サッカー選手権に出場しているが、今回の快挙はサッカー部員が“甲子園出場”したことにある。ただ、甲子園といっても舞台は東京都の隅田川エリア。ゴミ拾いで競い合った。

 

静岡県代表としてサッカー部の選手が参加したのは、昨年12月26日に開催された「スポGOMI甲子園」。ゴミ拾いとスポーツを融合した大会で、2019年に始まった。参加できるのは高校生のみ。3人1組でチームをつくり、1時間で拾ったゴミの量と質で順位が決まる。

 

■常葉大橘が上位10チームの半分 バスケ部とラグビー部も出場

静岡県代表を決める予選には57チームが出場した。その中で、ひと際目を引くのは常葉大橘高校の存在。上位10チームのうち半分を占めた。常葉大橘ではSDGsに力を入れており、サッカー部のほかにバスケットボール部やラグビー部の選手も大会に参加している。

 

サッカー部では10年ほど前から月に1回、学校周辺の掃除をしており、普段の活動の延長で大会に参加したという。部員120人の中から1年生50人が大会に出場し、庄司雄登さん、加藤成さん、澤井絢さんの3人で組んだチーム「スキッパー」が静岡県の頂点に立った。メンバーは「まさか優勝できるとは思いませんでした」と驚きを隠せなかった。

 

静岡県大会の会場は静岡市の三保海岸だった。拾ったゴミは、燃えるゴミ1キロ100ポイント、ビン・缶200ポイントなど、種類によって得点が異なる。スキッパーのメンバーは1キロ500ポイントのタバコの吸い殻と400ポイントのペットボトルを中心に集める作戦で臨んだ。

 

会場を走ることは禁止されているため、視野を広くして動きに無駄がないようにゴミを集めていく。途中でライバルチームの状況を確認しながら「いけるかもしれない」と手応えを得た。

静岡県大会で2位に入ったのも常葉大橘高校のチーム

■1時間で2.5キロのゴミ拾い 作戦通りで静岡県代表に決定

そして、1時間で集めたゴミの量は2.52キロに上った。狙いを定めたタバコの吸い殻は40グラム、ペットボトルは640グラムと出場チームで最もたくさん集めた。特にペットボトルは全チームの平均88グラムを大きく上回る数字だった。

 

全国35チームで競った“甲子園”は「出だしが遅れてしまいました」と24位に終わったが、大会に出場して日頃の生活にも変化が生まれた。加藤さんは「ゴミを拾う大変さが分かって、ペットボトルを減らすために水筒を持参しています」と話す。庄司さんは「ゴミの分別を意識するようになりましたし、周りにゴミが落ちていないか気にするようにもなりました」と意識が変わった。

 

「スポGOMI甲子園」は毎年、12月下旬に開催される。サッカー部にとっては最も大きな舞台、全国高校サッカー選手権の時期と重なるだけに、スキッパーのメンバーは“本職”に専念する可能性が高い。それでも、「全国のすごさを知ったので、スポGOMIでリベンジしたい気持ちはあります」と力を込める。ゴミ拾いでもサッカーでも全国大会出場となれば、史上初かもしれない。

 

(間 淳/Jun Aida

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