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2023/03/15

任期満了まで1か月 静岡市長がやり遂げたい2つの仕事 “最後”のお願いに知事は

任期満了まで1か月となった静岡市の田辺信宏市長

■静岡市長選は4月9日投票日 田辺信宏市長は退任

任期満了に伴う静岡市長選挙は4月9日に投票日を迎える。退任を表明している田辺信宏市長は、残り1か月の任期でやり遂げたいことにプロ野球の球団誘致と、関係が良好とはいえない川勝平太知事との面会を挙げた。この要望に対し、川勝知事は退任の挨拶は受け入れるとしながらも、「話したいことは特段ありません」と関心を示さなかった。

 

田辺市長は3期12年の役割を間もなく終える。4月12日の任期満了まで1か月となった今月13日の定例会見。残りの期間でやり遂げたいことを問われ、プロ野球の球団誘致を挙げた。

 

「まず、日本で66年ぶり13チーム目となる静岡へのプロ野球の球団誘致に向けて下準備を精一杯やり遂げたいと思っています。WBCが盛り上がっていますが、静岡も野球王国。私自身も12年前の市長選初当選の時のマニフェストに掲げたものなので、ハヤテグループを下支えして、連携して取り組んでいきます」

 

プロ野球の球団誘致をめぐっては、日本野球機構(NPB)が2軍にあたるファームリーグの拡大構想を進めており、2024年からファームリーグにのみ参加する2球団を新たに公募する。名乗りを上げているのが東京に本社を置く投資会社「ハヤテグループ」で、静岡市清水区にある清水庵原球場を本拠地とする考えを示している。

 

■「どうしても実現したい」 “不仲”川勝知事との面会

そして、もう1つ、田辺市長が「どうしても実現したい」と力を込めたのが、川勝知事との面会だった。これまで意見の違いから何度となく衝突し、不仲と指摘されてきた。昨年の台風15号の対応では、田辺市長が川勝知事の携帯番号を知らず連絡が取れなかったなどと発言している。最後に関係修復を望み、定例会見の場で自ら知事に要望した。

 

「政令市と県という組織同士が抱えている課題や問題について、もう一度話をして共有化したいと思っています。知事とは12年間色んなことがあった中で、政令市と県が連携する必要性を感じています。きちんと任期中に知事と心合わせしたい気持ちです」

 

田辺市長は、川勝知事が県議会で県、静岡市、浜松市による政令指定都市サミット(G3)を再開したい考えを示したことにも触れた。G3は県と政令市が定期的に意見交換する場として2006年度から始まったが、2016年度の開催時に川勝知事と田辺市長の対立が表面化し、停止している。田辺市長は「市長が代わるからG3を再開するわけではない。政令市と県の在り方がいかにあるべきか心合わせをした前提で、私たちがテーブルにつくか判断するべきだと思っています。任期中にしっかりお伝えしたい」と語った。

 

■田辺市長からラブコール 川勝知事は「話したいことない」

川勝知事との面会を強く希望する田辺市長だが、まだ打診はしていないという。面会の実現性を問われると「分かりません。退任の挨拶に伺うので、時間を取ってもらいたいと思っています。携帯でもやり取りはしていません」とトーンダウンした。

 

田辺市長の会見翌日となった14日、川勝知事の定例会見が開かれた。田辺市長が面会を希望していることについて質問されると、こう答えた。

 

「退任の挨拶に来ると連絡は入っていません。お越しになればお話を受けます。お別れの挨拶になるでしょうから。話したいことは特段ありません。ご苦労さまと申し上げるくらいですね」

 

2人の面会は実現し、関係は改善するのか。ただ、市民や県民のために物事を進める手段として話し合いや意見交換の場があるのであって、面会自体が目的になることへの違和感は消えない。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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