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2023/05/02

静岡県ホームレス過去最少47人は実態反映してない? 路上生活者の実情と支援のギャップ

厚生労働省は毎年、全国でホームレスの実態調査を実施

■ホームレスの人数 20年間で10分の1に減少

厚生労働省が「ホームレスの実態に関する全国調査」の結果を公表した。静岡県で確認されたホームレスの人数は47人で、2003年の調査開始以来、最も少なくなった。20年間で10分の1近くまで人数は減っているが、調査が実情を正確に把握できていないという指摘もある。

 

厚生労働省は毎年1月、全国でホームレスの人数を調査している。今年の調査では、静岡県のホームレスは前年より2人減って47人となっている。調査を始めた2003年は465人だった人数は年々減少し、10年前の2013年は160人、2017年に初めて100人を切った。

 

今回の調査では全国に3065人のホームレスがいるとされ、静岡の47人は12番目に多かった。市町別では浜松市が最多の17人、次いで富士市の8人、沼津市の7人となっている。

 

静岡県はホームレスの自立を促進するため、住居確保給付金の支給、一時生活支援事業、自立相談支援などを行っている。その効果もあって、ホームレスの人数は大幅に減っている。ただ、調査が実態を反映していないという指摘もある。

 

■調査方法に改善の余地 静岡市6人の結果に「10人はいる」

厚生労働省の調査では、駅や河川敷を巡回してホームレスの人数を確認している。勤務時間の都合で、調査時間は日中や夕方になる。しかし、普段は駅周辺で寝ていても、多くの人が活動している時間帯には別の場所にいるホームレスは少なくない。

 

厚労省の調査では静岡市のホームレスの人数は6人となっているが、実際に静岡市で路上生活を続ける男性は「自分が知っているだけでも、10人くらいはいる」と話す。静岡駅や駅周辺で睡眠を取るのは人通りの少ない夜11時頃から朝5時頃までだという。

 

男性は過去に生活保護の申請を試みたが、手続きの煩雑さで断念した。行政の自立相談では、勧められた相部屋での生活や仕事の継続に自信が持てず、路上生活を選んだ。「路上で長年暮らしていると、急に規則正しく仕事して家事をして、生活を維持するのは大変です。甘えているのかもしれませんが」。今後、行政の支援を受けるつもりはないという。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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