生活に新しい一色
一歩踏み出す生き方
静岡のニュース・情報サイト

検索

情報募集

menu

2023/07/09

昨年は59人遭難で4人死亡、10人けが 富士山登山の注意点 静岡県がアニメで警鐘

富士山登山道は7月10日に静岡県側のルート開通

■遭難理由は疲労が最多 年代は若者も高齢者も

富士山は静岡県側の登山ルートが10日に開通する。昨年は59人が遭難して、4人が死亡、10人がけがをしている。新型コロナウイルス感染拡大による行動制限が緩和された今夏は登山者の増加が予想され、静岡県はアニメでも注意点を発信している。

 

静岡県警地域課によると、富士山で昨年遭難した人数は59人で4人が死亡している。けが人は重傷、軽症ともに5人となっている。

 

遭難した理由は「疲労」が最も多い22人。以下、「滑落・転倒など」と「病気」が13人、「道迷い」が7人などとなっている。居住地別では静岡県が10人で県外が49人。年齢別は「20~29歳」が最多の15人。次いで、「70~79歳」の12人、「60~69歳」の11人となった。

 

富士山での遭難や事故を防ぐため、静岡県はアニメをつくり、公式サイト「世界遺産富士山とことんガイド」で公開している。アニメではオリジナルキャラクターの「のぼる」と「まる太先生」が登場。まる太先生が、のぼるの質問を受けて登山の注意点を解説していく。

 

■登山に必須“四種の神器” 高山病の予防法は?

例えば、高山病は短時間で高度を上げることによって頭痛やめまい、反応の鈍化などを引き起こすと説明している。脳水腫といった死に至る病気を併発するケースもあるという。予防法には出発前に五合目付近の標高で1~2時間休憩し、富士山の気圧や空気の薄さに体を慣らすことや、ゆったりとした一定のペースで歩いて水分補給をこまめにすることなどを挙げている。

 

準備をしていても高山病になってしまった際には、高度を下げることが最良となる。体を暖かくして休んだり、症状がひどい場合は無理をせず下山したりするよう勧めている。

 

富士山の天候は変わりやすいため、装備の大切さも訴えている。必須アイテムとしているのは登山靴、雨具、防寒着、ヘッドライトの4つ。登山靴は靴底が厚くハイカットなものは捻挫や転倒を防ぎ、砂利も入りにくい。雨具は富士山の強風を考慮して上着とズボンが別々のセパレートタイプが良いという。他にもヘルメットやサングラス、コンパスやごみ袋など装備の一覧を示している。

 

富士山は平地との気温差が約20度あり、夏でも冬のような寒さとなる。Tシャツに短パンといった軽装での登山は危険。また、山小屋などで十分な休息を取らずに一気に頂上を目指す「夜間弾丸登山」は特に危険と指摘している。

 

富士山は山梨県側の吉田ルートが1日に開通している。静岡県側の須走、御殿場、富士宮の3ルートも10日に開通となり本格的な夏山シーズンを迎える。閉山日は9月10日となっている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

関連記事