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2023/02/08

知っていたらファン認定!? 老舗和菓子店の定番商品 アレンジメニューとビーンズの謎

コーヒー味のビーンズが乗っている田子の月の定番商品「富士山頂」

■「田子の月」の定番・富士山頂 ビーンズは飾りではなく…

静岡を代表する老舗和菓子店には、長年のファンなら知っているかもしれないトリビアやアレンジメニューがある。静岡県富士市に本社を置く「田子の月」は創業70年の歴史を持つ。定番商品の「もなか」や「富士山頂」には、ひと手間加えて違った味わいを楽しめる“裏メニュー”がある。

 

静岡県民であれば、大半が一度は食べたことのある「田子の月」の菓子。季節の商品や毎月変わる商品を楽しみにするファンも多いが、定番商品の人気は高い。その1つが、富士山頂だろう。

 

富士山頂は、田子の月の本社からも見える富士山をモチーフにしている。しっとりとしたスポンジの中にカスタードクリームが入っており、上にかかったホワイトチョコは雪化粧した富士山を表現している。そして、山頂に飾られたコーヒー味のビーンズがアクセントになっている。

 

実は、このビーンズは単なる飾りではない。富士山頂の観測所をイメージしているのだ。かつて、富士山には観測所が設置されていた。地上気象観測やレーダー気象観測の役割を担い、初雪の観測と発表もしていた。気象庁は2004年に職員の常駐観測を終了している。

長年愛されている餅入りの「田子の月もなか」

■もなかと富士山頂に”裏メニュー” 店舗限定販売の商品も

その富士山頂には、田子の月のスタッフおすすめの普段と違った楽しみ方がある。冷凍庫に入れて中のカスタードを凍らせる方法。カスタードがアイスのようになり、スタッフの間で人気だという。

 

田子の月の顔とも言える「もなか」もアレンジメニューがある。トースターに入れる食べ方だ。皮が香ばしくなり、しっとりした普段の食感とは、また違う表情を見せる。

 

田子の月の店舗には休憩スペースが設けられているが、富士山御殿場本店と鷹岡店にはカフェスペースを併設している。2つのカフェでは店頭に並ぶ商品のほか、パフェなどのオリジナルメニューを楽しめる。そして、富士山御殿場本店は、もなかの皮を香ばしくあぶった「田子の月もなか餅入り」を提供している。

 

沼津市千本港町にある「おみやげ田子の月」で限定販売されている「おかげ天」も、ファンの間では知られているアレンジメニュー。餅粉を使った生地であんこを包んで富士山型に焼き上げた「富士山御蔭餅(おかげもち)」を、アーモンドスライスの衣で揚げている。アツアツのあんことサクサクの食感が人気となっている。

店内にカフェを設けている鷹岡店

■包装紙は日本を代表する詩人の句をデザイン

老舗和菓子店とあって、包装紙にもストーリーがある。もなかに使われている包装紙には「名月や 子供よろこぶ 田子の月」の句がデザインされている。この句は、日本を代表する小説家で詩人の武者小路実篤が即興で書いたもの。商品を宣伝するには有名人の名前を借りるのが良いと考えた田子の月の創業者が、もなかとペンを持って直接、武者小路実篤を訪ねたという。

 

長年愛される定番商品を味わうのは、田子の月を訪れる楽しみとなっている。さらに、商品の秘話やアレンジメニューを知ると、親しみや愛着が深まるだろう。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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