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2023/07/10

車内に子ども置き去り5人に1人 5%が熱中症ヒヤリ経験 意識の低さやワンオペに課題

夏場は車内の熱中症に注意が必要

■8割のドライバー回答 子ども置き去り「今後も発生」

静岡県は今週、晴れの日が続き、厳しい暑さになると予想されている。週間天気では、最高気温が35度に達する日もある。暑い日に注意が必要なのは熱中症。中でも、車の中に置き去りにされた子どもの熱中症は避けてほしい。

 

通園バスの安全装置普及を進める東京都の三洋貿易によると、一般ドライバーのうち91.6%が、車内に放置された子どもの熱中症が全国で毎年のように発生していることを認識している。一方、1年以内に子どもだけを残したまま車を離れたと回答した人は20.4%に上っている。前年の23.7%からは微減となった。

 

子どもを車内に置き去りにしたドライバーに「ヒヤリとした経験」を問うと、5.1%が子どもの顔のほてり、頭痛、めまいといった熱中症の症状を確認している。子どもを無意識に車内に残さない対策については、78.9%が「特に防止するために行ったことはない」と回答。12.7%が「子どもにクラクションの鳴らし方を教えた」としている。

 

「車内に子どもが残されることは、今後も発生すると思うか」という質問に対しては、「今後さらに増加」、「少しは増加」、「今と変わらないくらい発生」を合わせた割合が8割を超えた。その理由は、「保護者の意識が低いから」、「用事を済ませる間に子どもを見てくれる人がいないから」、「他のことに気を取られて子どもが車内にいることを忘れてしまうから」の3つが上位に入った。

 

■牧之原市で女児死亡 通園バスの安全装置義務化

子どもの車内置き去りをめぐっては、昨年9月に静岡県牧之原市の通園バスに取り残された女の子が熱中症で死亡している。政府は今年4月から全国の保育施設に対し、子どもの置き去りを防ぐ装置の設置を義務付けた。

 

三洋貿易は今回の調査を分析したNPO法人「Safe Kids Japan」の理事長で、焼津市立総合病院小児科科長などを歴任した山中龍宏さんのコメントを掲載。山中さんは「人は誰でも間違うという考え方に基づいて、事故が起きないように仕組化することが重要。送迎バスの安全装置設置に続いて、圧倒的に台数が多い自家用車における対策強化も望まれる」と指摘している。

 

調査は小学生以下の子どもを乗せて自動車を運転する全国の20~69歳を対象に、5月下旬にオンラインで実施された。3377人から回答を得ている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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