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2023/10/20

世帯平均で月3685円の食費節約 過去最大級の値上げラッシュに賃金上昇追いつかず

食料品の値上げで節約する家庭も多い

■今年の食品値上げ 10月時点で3万1887品目

11、12月は「沈静化」が予想されているが、食品の値上げは今年に入って3万品目を超えた。物価上昇に賃金上昇が追いつかず、家計の負担は大きくなっている。その実情を示すように、今年度の上半期は、1世帯当たりの食費の節約額は3685円に上った。

 

民間の調査会社・帝国データバンクによると、今年値上げされた食品は10月までに3万1887品目に達した。昨年1年間の2万5768品目を大きく上回る過去最大級の値上げラッシュとなっている。11、12月は値上げ品目が減少するとみられているが、円安の長期化などで来年1月以降に値上げが加速する可能性もあるという。

 

総務省の家計調査を基にした帝国データバンクの試算では、2023年度上半期における1世帯当たりの食費負担額は、節約などの値上げをしない場合、月4058円の増加となった。それに対し、実際の支出データでは平均で月373円の増加にとどまっている。つまり、本来見込まれた増加額と比べて、節約により3685円を圧縮した計算になる。

 

■節約した食品分野 加工食品が月1293円でトップ

節約した食品分野では、最も金額が大きかったのは加工食品で月1293円。冷凍食品や水産練り物製品、即席めんなどを買い控える傾向が目立った。その他には菓子が月782円、酒類・飲料が月697円の節約となっている。パン製品は190円と節約の金額が小さかった。

 

10月は第三のビールや日本酒、ハム・ソーセージやオリーブオイルなど4634品目が値上げされた。帝国データバンクは11月以降、値上げは比較的落ち着いた情勢が続くとして、こう分析している。

 

「原材料価格の一服感に加え、コスト増分の価格転嫁が進んでいることも背景に値上げの機運は鈍化傾向が鮮明化している。プライベートブランドの一部商品は値下がりするものもあり、10月以降の家計負担に対する影響は4月に比べて抑制されるとみられる」

 

値上げはピークを迎え、家計の負担は小さくなると予想される。ただ、食費を切り詰めざるを得ない局面が続くとも指摘している。「これまで値上げされた食品類が今後店頭価格に反映されるケースもあり、家計の食費負担は今後も高止まりが続く」。不安定な国際情勢や物価上昇に追いつかない賃金上昇など、課題が解決されない限りは食品の値段を気にする生活は続きそうだ。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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