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2023/12/06

クリスマスケーキの平均価格4468円 味を落とさず値段を上げない“苦肉の策”講じる店も

原材料費の高騰などで平均価格が大幅に値上がりしているクリスマスケーキ

■昨年から平均325円アップ 2年間で529円値上がり

クリスマスケーキの平均価格は昨年から300円以上アップし、4468円となった。原材料費の高騰などにより、ここ2年間で値上げ幅は500円を超えている。静岡県内には、味を落とさず、できるだけ値段を上げない“苦肉の策”を講じるケーキ店もある。

 

民間の調査会社「帝国データバンク」は全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパーや洋菓子店など計100社で販売されるクリスマスケーキの価格(ホール型5号、4~6人向けサイズ)を調査した。その結果、今年のクリスマスケーキの平均価格は4468円となった。昨年と比べると325円、おととしからは529円値上がりしている。

 

値上げの背景には原材料費の高騰がある。クリスマスケーキの主な原材料は、鶏卵が29%、牛乳が19%、砂糖が15%値上げとなっている。イチゴも6~50%値上がりしているという。原材料費に加えて光熱費や人件費の増加も、値上げに踏み切る要因になっている。

 

値上げ幅として最も多かったのは「500円以上」と「300円未満」で、それぞれ20社に上った。500円以上は百貨店や洋菓子店が主力としている4000~5000円台、300円未満はスーパーなどの3000円台のケーキに多かった。500円以上値上げした企業は昨年から倍増した一方、200円未満に抑えた企業は10社減って14社にとどまり、大幅な値上げが目立つ。

 

■サイズ小さく、種類しぼって価格維持するケーキ店も

そんな中、静岡県内では値段を据え置く工夫をしているケーキ店もある。静岡市内にあるケーキ店では、サイズを一回り小さくして、使用する材料を減らすことで価格を維持している。さらに、販売するクリスマスケーキの種類をしぼり、材料費や人件費を抑えているという。店主は、こう話す。

 

「うちの店が最優先しているのは、味を落とさないことです。クリスマスケーキは家族にとって特別な意味を持ちます。価格を優先して味が落ちてしまえば、がっかりさせてしまいます。サイズを小さくしていることはお客さまに伝えていますし、最近は3、4人で食べる家庭も多いのでニーズに合った大きさだと感じています」

 

帝国データバンクによると、今年1年間で値上げされた食料品は3万品目を超え、バブル崩壊後最大級となっている。家計は節約志向が強まっており、クリスマスケーキも高額品の買い控えや低価格品への人気集中の傾向が一部で表れているという。大幅な値上げは消費者に受け入れられない可能性があると指摘している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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