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2024/02/03

山梨県が通行料2000円義務化へ 静岡県は徴収検討せず 両県で異なる事情

富士山吉田ルートの標識

■保全協力金と別 今夏から山梨県側の登山は3000円負担

富士山登山の混雑を減らすため、山梨県が今夏から2000円の通行料を徴収する見込みとなった。任意の保全協力金1000円とは別で、登山者1人当たりの負担は3000円となる。一方、静岡県では通行料の徴収を現時点で検討していない。山梨県と対応が分かれている背景には、異なる事情がある。

 

山梨県の長崎幸太郎知事は1日の記者会見で、今夏の富士登山シーズンから「吉田ルート」で2000円の通行料を徴収する方針を明らかにした。15日に開会する2月県議会に関連条例案を提出する。

 

通行料の義務化は、登山道の混雑緩和や噴火に備えたシェルター整備などを目的としている。また、休憩を取らずに山頂を目指す弾丸登山を防ぐ狙いもある。登山者を1日当たり4000人に制限し、5合目にゲートを設けて山小屋に宿泊する登山者を除いて午後4時から午前3時の入山を規制するという。

 

登山者には現在、任意で1000円の富士山保全協力金を求めている。通行料を合わせると負担は3000円となることから、登山者や山小屋関係者からは「高すぎる」という声も上がっている。長崎知事は会見で登山者に理解を求めた。

 

「富士登山は過度な混雑が生じており、登山者の抑制は喫緊の課題です。登山者にそれだけのお金のご負担をいただいても、十分な価値がある地域だと思っています。登られる方々のご理解は間違いなく得られると自信を持っています」

山梨県の長崎知事は富士登山の混雑を喫緊の課題に挙げる

■静岡県は通行料なし 入山料の義務化や値上げ検討中

山梨県側の登山道に通行料が導入されることで懸念されるのが、静岡県側の混雑や弾丸登山の増加だ。静岡県には御殿場、須走、富士宮と3つの登山道があるが、県は現時点で通行料の徴収は検討していないという。

 

静岡県には山梨県と異なり、簡単には登山者への規制を設けられない事情がある。静岡県にある3つの登山口は山梨県と違って県有地ではない。県の判断や基準だけで制度を変えるのは難しい。

 

さらに、御殿場口や富士宮口は複数の箇所から入山できる。全ての場所を規制するのは現実的ではなく、通行料のない場所に登山者が殺到したり、不公平な形が批判されたりする可能性がある。

 

静岡県では通行料の徴収は今のところ検討されていないが、任意となっている富士山保全協力金の1000円の義務化や値上げに向けた動きはある。川勝平太知事は昨年8月の定例会見で「入山料(保全協力金)は義務化が義務。来年(2024年)に向けて何らかの方向性を示せるよう、地元関係者と議論を深めるように指示している」と述べた。

 

2014年から導入されている保全協力金は臨時公衆トイレの設置や外国人サポートなど、富士山の環境保全や安全対策に使われている。昨シーズンの協力率は過去最高となる73.5%で、6130万6454円集まった。報道各社の調査では、登山者の大半が保全協力金の義務化に賛成する結果が出ている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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