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2024/02/15

目標まで残り6%が遠い… 能登半島地震の教訓 木造住宅の耐震補強が進まないワケ

地震で倒壊した住宅

■静岡県の耐震化率89% 目標は2025年度までに95%

あと6%が近いようで遠い。能登半島地震を受けて、静岡県では木造住宅耐震化プロジェクト「TOUKAI-0(東海・倒壊ゼロ)」の問い合わせが増えている。県はプロジェクトが終了する2025年度までに、現在の89.3%の耐震化率を95%まで上げる目標を掲げているが、達成へのハードルは高い。

 

静岡県の川勝平太知事は新年度の当初予算案を発表した。重点を置いた取り組みの1つが災害対策。1月1日に起きた能登半島地震の教訓を静岡県でも生かす考えを示した。

 

「一番大きいのは木造家屋がものすごい数で倒壊したということです。それから輪島の朝市の火事。地震が起きると、東日本大震災の時でも、その前の阪神淡路大震災の時でもそうでしたが、火事が起こります」

 

輪島市の大規模火災を受け、設定以上の揺れを感知すると自動的に電気を止める「感震ブレーカー」の設置費用を補助する費用に1億3200万円を盛り込んだ。地震による火災を防ぐ目的がある。その他、孤立対策などを含めた災害対策は総額99億円に上る。

 

また、能登半島地震の被害状況から、県は2001年から県内の市町と協力して進めてきた木造住宅耐震化プロジェクト「TOUKAI-0」を強化する。新年度予算案では5億6200万円を計上。無料の耐震診断3000戸、耐震補強工事1000戸を見込んでいる。

耐震化が進まない要因となっている空き家

■耐震化への相談増加も…費用負担と空き家のハードル

無料で耐震診断をして耐震補強工事を助成する「TOUKAI-0」の問い合わせは能登半島地震後に増えている。1月に入って、例年の5倍以上に増加している自治体もある。

 

2025年度末にプロジェクトが終了することから、県は活用を呼び掛けている。だが、相談件数が耐震補強工事の実績と直結していない。県は2025年度末までに耐震補強工事費の助成を累計3万戸、耐震化率95%を目標に掲げているが、現在は累計2万6548戸、耐震化率89.3%にとどまっている。

 

ハードルとなっているのは費用の負担。一部補助が出るとはいえ、自己負担額は少なくない。例えば、1981年5月31日以前に建築された木造住宅の耐震補強工事は、1戸あたりの補助金限度額が国と県からそれぞれ30万円、市町は任意となっている。

 

こうした築年数が経った木造住宅で暮らすのは大半が高齢者で、資金面に余裕がないため耐震化に消極的な傾向が強い。県や市町は寝室やリビングといった生活する時間が長い場所だけ耐震化するなど、自己負担を軽くして命を守る方法を提案している。

 

耐震化が進まない、もう1つの要因には空き家の問題がある。県によると、県内にある木造住宅の3戸に1戸が空き家だという。持ち主が分からない、もしくは明らかにするには費用や時間がかかるため、手を付けられない状況となっている。地震によって空き家が倒壊したり、火事が起きたりして隣家にも被害が及ぶ恐れがあっても、行政が動けない実情もある。

 

約99億円の防災対策を含めた県の新年度予算案の一般会計は、今年度より543億円少ない1兆3160億円。新型コロナウイルス対策の規模縮小などにより、6年ぶりの減少となった。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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