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2024/03/21

静岡県内の企業の6割がベースアップ予定 上げ幅は伸び悩む…業種でばらつきも

■製紙業や運輸・通信はベアに積極的 建設業は消極的

大幅な賃上げを決めた大企業が相次いでいる。静岡県内でもベースアップを予定している企業が6割に上っている。ただ、上げ幅は3.5%と物価上昇に追いついていない。また、業種によってばらつきが大きい。

 

民間の調査会社・静岡経済研究所は、県内企業の賃上げ実施状況を調査した。その結果、今春にベースアップを「予定している」企業は60.1%を占め、「予定していない」の14.9%に大差をつけた。25.0%の企業は「未定」としている。ベースアップの上げ幅は3.5%で、昨年の3.3%から増加した。

 

ベースアップを予定している企業は製造業が63.5%だったのに対し、非製造業は56.8%となった。業種によって差が生まれている。「パルプ・紙・紙加工品」と2024年問題が目の前に迫っている「運輸・通信業」は、ベースアップに積極的な結果が出ている。

 

「パルプ・紙・紙加工品」はベースアップを予定している企業が71.4%に上り、上げ幅は昨年からプラス0.7%となった。「運輸・通信業」は70.0%の企業が予定し、0.8%増加する。一方、「建設業」は38.5%の企業にとどまり、調査対象となった業種の中で唯一、50%を下回った。

 

ベースアップと定期昇給以外の取り組み(複数回答)は「賞与・一時金の増額」が最も多く、39.8%の企業が実施する。次いで、「新卒者の初任給増額」が24.3%、「物価対応等の特別手当の支給」が8.3%だった。

 

静岡経済研究所は今回の調査結果について「人手不足や物価高などを背景に、県内でも大手企業を中心に高水準での賃上げ交渉の妥結が続く中、こうした流れが中小企業にも波及することで、物価と賃上げの好循環が継続していくことが望まれる」とまとめている。

 

調査は3月1日から13日まで、県内に本社や事業所を置く590社を対象に郵送とウェブで実施された。回答した企業は148社で、有効回答率は25.1%だった。回答者は製造業と非製造業、いずれも74社となっている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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