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2024/05/12

自動販売機が予想外のヒット レアな一品との出会いも人気 藤枝市では“ちょっといい話”

■藤枝MYFCをサポートするケンミン食品 藤枝市に県内唯一の自販機

自動販売機が人と人をつなぐ交流のきっかけになっている。静岡県藤枝市には冷凍ビーフンの自動販売機が設置されている。自動販売機で販売される商品としては珍しいことに加え、時々、焼ビーフン以外のレアな一品も入ることから人気がジワジワ広がっている。

 

朝ラー文化で知られる藤枝市 先月は新しい店がオープン

 

藤枝市城南には設置されて間もなく2年を迎える自動販売機がある。近くに工場を構えるケンミン食品の冷凍ビーフンや春雨などが並ぶ。ケンミン食品の自動販売機としては5台目で、静岡県内唯一となっている。

 

ケンミンの焼ビーフンで知られ、サッカーJ2藤枝MYFCのオフィシャルシルバーパートナーを務めるケンミン食品が自動販売機を初めて設置したのは2021年9月だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、本社ビル1階の直営レストランの売上が大きく落ち込み、打開策が求められていた。

 

その時、高村祐輝社長が提案したのが自動販売機での商品販売だった。「減少した売上を少しでも補えれば」という考えで本社ビルの前に自動販売機を置くと、驚くほどの反響があった。当時はギョウザの無人販売があったものの、冷凍食品の自動販売機は珍しかった。また、2個で500円の冷凍ビーフンは消費者にとってお手頃な価格に映った。

静岡県内で唯一、藤枝市に設置されているケンミン食品の自動販売機

■6都府県に計21台の自販機 お得なB級品も販売

自動販売機は最寄り駅から距離があり、人が集まるような場所にはない。それでも、近くの住民や仕事帰りに自動販売機の前を通る人たちが購入していく。中には、自動販売機を撮影するために京都から訪れた夫婦もいた。ケンミン食品の従業員が声をかけると、「めちゃくちゃ話題になっていますよ」と返ってきたという。

 

売上は予想以上で、自動販売機設置から10日間で月の目標を上回った。ケンミン食品で広報とマーケティングを担当している田中国男さんは「その日の夕ご飯に買って帰ったり、コンビニに行く途中で見つけて購入したりする方が多いです。1食250円の冷凍食品はスーパーでの買い物としては安くはありませんが、コンビニのお弁当と比べると割安感があると知りました」と話す。

 

1台目の自動販売機がヒットし、ケンミン食品は自社工場の近くや駅などに台数を増やしていった。現在は6都府県に計21台置いている。人気の理由はビーフンの味や調理の手軽さだけではなく、レアな一品やアウトレットを購入できるチャンスがあるところ。自動販売機によっては、商品の品質には問題ないが賞味期限が近いなど、通常販売できないB級品が入る。通常の商品と味は同じで価格は安いため、お得感が大きい。

 

自動販売機が設置されている地域ごとの特色も出ている。兵庫県にある丹波篠山工場前では、シーズンになると名産の枝豆(冷凍食品)が並ぶ。藤枝市の自動販売機には、チャーシューやメンマを詰めたおつまみセットが入る時がある。藤枝工場で具材も含めてグルテンフリーの冷凍ラーメンをつくっているため、商品には適さない切れ端の部分をセットにして有効活用している。

長年愛されているケンミン食品のケンミン焼ビーフン

■自販機に激励の手紙 従業員と消費者つなぐ役割も

そして、藤枝市の自動販売機は思わぬ役割も果たしている。工場の従業員と消費者のコミュニケーションツールになっているのだ。自動販売機の商品受け取り口には「噂を聞いて名古屋から買いに来ました」、「先日購入しておいしかったので、また来ました」といった手紙が入っていることがあるという。広報担当の平奥恵里菜さんは「工場の従業員は消費者の方々と普段お話する機会がないので、声が直接届くのは励みになります」と感謝する。

 

自動販売機の設置は企業の知名度や売上アップをもたらした。さらに、消費者と従業員をつなぐ架け橋にもなっている。ケンミン食品は今後も全国各地に台数を増やしていくという。

 

(間 淳/Jun Aida

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