■元日本代表の槙野智章氏　藤枝MYFCの監督に就任

静岡県藤枝市に本拠地を置くサッカーJ2藤枝MYFCの新監督に、浦和レッズなどでプレーした元日本代表・槙野智章氏が就任した。現役時代の実績に加えて、引退後は明るいキャラクターでメディアにも積極的に出演している。藤枝市民は“ある監督”と重ね合わせて期待を寄せている。

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藤枝MYFCは今シーズン、20チーム中15位だった。残留争いに巻き込まれることなく、J2で3シーズン目を終えた。チームを率いた須藤大輔監督は「超攻撃的エンターテインメントサッカー」を掲げ、結果だけではなく魅せるスタイルを貫いた。

攻撃的なサッカーを全面的に打ち出す藤枝MYFCのスタイルはサッカーのまち・藤枝に根付き、着実に観客を増やしていった。しかし、クラブは12月8日、チームを5年間指揮した須藤監督の退任を発表。そして、その4日後の12日、槙野新監督の就任を公表した。

槙野新監督は現役時代、主にセンターバックとして活躍し、日本代表の経験を持つ。サンフレッチェ広島、浦和レッズ、ヴィッセル神戸に在籍。ドイツのケルンでもプレーした。

闘志あふれるプレースタイルはチームでムードメーカーの役割を担った。2022年に引退後はサッカー解説に加えて、バラエティ番組などでも存在感を見せる。

藤枝MYFCの新監督に決まった槙野氏（ⓒSHINAGAWACC）

■「最高のお祭りを創出する」　サッカー通じて地域に活力

2024年からは神奈川県の社会人リーグに属する品川CCで監督を務めている。Jリーグの監督に必要な日本サッカー協会のプロライセンスも今年取得し、今月に資格が認定された。Jリーグで指揮を執る機会に早速恵まれ、クラブを通じて次のようにコメントした。

「100年を超える蹴球愛に溢れた伝統を持つ藤枝という街、サポーター、関わるすべての人々がまだ見られていない新しい景色を皆さんと共に見られるように、監督として魂を込めて、情熱を注いでいきます。僕は監督としてチームを勝てるようにするだけでなく、サッカーを通じて志太榛原地域を盛り上げていきたいと思っています。最高のお祭り、最高のエンターテイメントを創出し、週末にスタジアムに足を運ぶのが待ち遠しくなるようなチーム作りを目指しますので、楽しみにしていてください！」

結果だけではなく、エンターテインメントの創出も宣言した槙野新監督。藤枝市民や静岡県民からは期待の声が大きい。監督就任の発表を受け、「話題性がある人選。近隣の商店街も盛り上げてほしい」、「どんなサッカーをするのか今からワクワクする。スタジアムに行って一緒に盛り上がりたい」と期待が膨らんでいる。

■「新庄監督のように」　試合以外の盛り上げにも期待

また、プロ野球の日本ハムファイターズを率いる新庄剛志監督と重ね合わせる人も多い。市民やファンからは「お祭り男の槙野監督には、新庄監督みたいにJリーグでも斬新な取り組みを期待しています」、「今までサッカーを観戦してこなかった人たちの関心を引く仕掛けを期待している。新庄監督のようにJリーグ全体を盛り上げてほしい」などの声が上がった。

一方、一部からは「話題が先行して結果が伴わないと、期待が大きい分、落胆が大きくなりそう」、「どんな監督でも、最初は上手くいかないことがたくさんあるはず。クラブには、すぐに結果を求めたり、指導者の適性を判断したりしないでほしい」といった心配の声も聞こえてくる。

藤枝MYFCは12日、太田吉彰ヘッドコーチと杉浦大輔コーチの就任もあわせて発表した。槙野新監督は15日に記者会見で意気込みを語る予定となっている。

（SHIZUOKA Life編集部）