2025/12/30
「早すぎる」、「最終節でも戦力」 静岡が生んだ“新時代のバンディエラ”引退に惜しむ声
■清水エスパルスに10年在籍 カターレ富山の河井陽介選手が現役引退
静岡県藤枝市出身で、今シーズンまでJ2カターレ富山に所属したMF河井陽介選手が現役引退を表明した。プロのキャリアをスタートし、10年間プレーした清水エスパルスからも本人のメッセージが発表され、ファンやサポーターからは引退を惜しむ声や静岡県への“復帰”を望む声が相次いだ。
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河井選手は藤枝東高校から慶応大学を経て、2012年に清水エスパルスへ入団した。プロ1年目からリーグ戦32試合に出場。主に務めたインサイドハーフのほかに、ボランチやサイドバックなど数多くのポジションで起用された。
2013年には背番号を10に変更し、不動のレギュラーとして32試合に出場。チーム最多となる8アシストを記録した。翌年からは背番号を17に戻し、2021年まで10年間在籍した。
2022年からはJ2ファジアーノ岡山に所属した。けがで苦しんだ時期もありながら、2年間でリーグ戦に計56試合出場。2024年にJ3カターレ富山へ移籍し、J2昇格に貢献した。今シーズンは16試合の出場にとどまったものの、終盤に存在感を発揮。J2残留を支えた。河井選手はクラブを通じて現役引退を発表した。
「このたび、2025シーズンを持ちまして、プロサッカー選手を引退することを決断いたしました。清水エスパルスで10年間、ファジアーノ岡山で2年間、カターレ富山で2年間、プロサッカー選手として、かけがえのない14年間を過ごさせていただきました」
「6歳から兄の影響で始めたサッカーは、僕に多くのものを与えてくれました。サッカーを通じて人間として成長し、素晴らしい人たちと出会い、つながることができました。これまでに自分を指導してくださった方々、ともに切磋琢磨したチームメイト、支えてくださったスタッフの方々、どんな時も応援してくれたファン、サポーターの方々、そして支援してくださったスポンサーの皆様。本当にありがとうございました」
「上手くいかないことが多い中でも、常に自分を信じて背中を押して支えてくれた妻、いつも大きなエネルギーを与えてくれる息子、娘には本当に助けられました。ありがとう。プロサッカー選手になるという夢を持たせてくれ、支えてくれた両親や兄にもこの場を借りて感謝を伝えさせていただきます。ありがとう。今後は、これまでサッカーが与えてくれたものを糧に、自分らしく人生を歩んでいこうと思います。ありがとうございました」

エスパルスに所属していた2018年に河井選手は広瀬さんと結婚
■エスパルスでもコメント発表 クラブも敬意と感謝
河井選手はエスパルスでもメッセージを寄せている。クラブの公式ホームページで、次のようにコメントしている。
「清水エスパルスは僕にとって、サッカー選手になるという夢を叶えさせていただいた特別なクラブです。当時の強化部長だった興津さん、スカウトの山崎さん、内藤さんが僕のことを評価していただき、プロになることができました。この場を借りて感謝を伝えさせてください。本当にありがとうございました」
「生まれ育った静岡の地でプロサッカー選手になることができ、素晴らしいサポーターの方々が作り出してくれる雰囲気の中、プレーできたことは本当に幸せでした。エスパルスの応援は最高だったんだなと、離れてみて改めて気づきました。街を歩けば声を掛けていただき、多くの方に期待されながら、サッカーをした日々は、自分の人生において財産となりました」
エスパルスも「生まれ育った静岡の地でプロサッカー選手としての夢を叶え、エスパルスのユニフォームに誇りを持って戦い続けた河井選手は、まさに新時代のバンディエラでした。ピッチ内外で示してくれた責任感と覚悟、そしてクラブへの深い愛情は、チームメイトだけではなく、多くのファン、サポーターの心を強く結びつけました。アイスタに響く声援とともに河井選手と歩んだ時間は、クラブにとってもかけがえのない財産です」と敬意と感謝を表した。
■「まだまだできる」 サポーターから引退惜しむ声
河井選手の引退に、インターネット上では惜しむ声が上がっている。今シーズン終盤も十分にJリーグの舞台でプレーできる力を見せていただけに、カターレ富山のサポーターからは「最終節まで戦力になっていたから、契約満了は他のクラブからオファーがあるからだと思っていた。昇格も残留も河井選手なしでは考えられなかった」、「残留を決めた最終節は大活躍でした。まだまだできると思っていたので、引退はもったいない。早すぎる」
また、静岡のファンやサポーターからも「清水エスパルスの歴史に残るテクニシャンだった」、「機会があったら静岡のサッカー界に戻ってきてほしいですが、きっと勉学もしっかりとしていると思うので、他に夢があるのであれば、そこに向かって頑張ってください」といった声も寄せられた。
河井選手はプロ14年間で、Jリーグの試合に計345試合に出場した。私生活ではエスパルス時代の2018年に、静岡朝日テレビの元アナウンサー広瀬麻知子さんと結婚。現在36歳で、一男一女の父親でもある。
(SHIZUOKA Life編集部)








