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2025/06/13

教員の半数以上が「指導に自信なし」 3人に1人が教育以外に転職希望 ショッキングな本音

■指導に「自信ない」が51.2% 理由の最多は「保護者の対応」

生徒指導に自信が持てない教員は半数を超えるショッキングな実情が明らかになった。コーチング塾を運営するドラゴン教育革命が実施した調査で、教育現場の深刻な課題が浮き彫りとなった。背景には、保護者対応や業務過多といった教員の負担増があるとみられる。

 

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ドラゴン教育革命は全国の小・中・高校教員を対象に「教員の生徒指導実態とキャリア観」に関する調査を行った。中でも衝撃的な結果となったのは、「指導に自信がありますか」という問いだった。「自信がない」は51.2%に上り、「自信がある」の48.8%を上回った。

 

複数回答可とした「指導の難しさを感じる点」については、「保護者との関係構築・対応」が最も多かった。「生徒の叱り方・注意の仕方」、「生徒のやる気を引き出すこと」が続いている。背景には、保護者側の価値観の変化や「モンスターペアレント」問題なども影響しているとみられる。

 

生徒指導において活かされている経験としては、「同僚や先輩教員からのアドバイス」が72.7%と圧倒的に多かった。体系的な研修よりも、現場での知見や先輩の経験が重要な指導ノウハウとなっている状況がうかがえる。回答の上位は以下の通りとなっている。

 

【生徒への指導で難しさを感じる点】

・保護者との関係構築・対応 53.7%

・生徒の𠮟り方・注意の仕方 50.3%

・生徒のやる気を引き出すこと 43.5%

・生徒の自主性を育てること 39.4%

・生活態度の改善 39.4%

・集団行動の指導 29.8%

・学習態度の改善 28.6%

 

■3割以上が教育以外の職種に転職希望 「業務負担大きすぎる」

また、今後のキャリアについては、「教員として長く続けたい」が50.0%にとどまった一方、「教育とは異なる業種・職種に転職したい」が17.1%、「特に決まっていない」が18.6%と、3割以上がキャリアチェンジを検討している実態が明らかになった。

 

転職理由では「担任業務や部活動指導など、業務負担が大きすぎるため」が最多の42.0%を占めた。次いで、「残業や休日出勤が多く、プライベートの時間が取れないため」の34.0%、「保護者対応やクレーム対応に強いストレスを感じているため」の30.0%となっている。

 

今回の調査は5月12日から15日までインターネットを通じて実施された。対象は公立と私立を問わず、全国の小・中・高校の教員(20~50代の男女)322人。この時期は学校現場で生徒も教員も新しい環境に慣れ始める一方、指導や人間関係の課題が表面化しやすい時期でもあるという。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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