2025/09/05
職場トラブル「いじめ・嫌がらせ」がトップ 年間相談件数1664件 13年連続で最多
■静岡労働局への相談件数 昨年度は3万4044件
いじめ・嫌がらせの相談が増加の一途をたどっている。昨年度、静岡労働局が受け付けた相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が最も多く、13年連続で最多となった。
静岡労働局は、昨年度の「個別労働紛争解決制度」の運用状況を公表した。労働者と事業主の間で発生する労働条件や職場環境をめぐるトラブルを未然に防ぎ、迅速に解決を図る制度で、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法がある。
昨年度受け付けた労働相談件数は3万4044件で、前年度から2.1%減少した。ただ、民事上の個別労働関係紛争の相談は7312件と11.2%増えている。増加の要因には、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談の増加がある。件数は1664件に上り、13年連続で最多となった。次いで、「自己都合退職」の1109件、「労働条件引下げ」の656件、「解雇」の641件となっている。
「いじめ・嫌がらせ」に関するあっせんでは、事業主に相談したにもかかわらず解決に至らず、精神的苦痛を受けたとして、慰謝料と治療費を合わせて450万円を申請したケースがあった。あっせん委員が事業主に対して申請人の主張を確認したところ、相談の対応に一部で不備があったと認めた。あっせん委員が解決策を調整した結果、事業主が解決金180万円を支払うことで合意した。
静岡労働局と各労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーでは、労働者や事業主が直面するトラブルの相談を無料で受け付けている。「アルバイトを辞めると店長に伝えたところ、代わりを探してこいと言われて辞められない」、「社員からパワハラについて相談されたが、どのように対応してよいのか分からない」など、仕事や職場に関する様々な相談が寄せられているという。
総合労働相談は匿名でも可能で、専門家の意見やアドバイスを受けられる。労働局長による助言・指導と、紛争調整委員会によるあっせんは匿名不可となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)