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2022/12/12

兼業・副業に新しい可能性 人生100年時代の働き方に必要な3つの資産とは

人生100年時代で関心や需要が高まる兼業・副業

■副業活用する企業増加 外部人材で新しい価値創出

時代とともに終身雇用制度は大きく変化し、兼業や副業をする人が増えている。人生100年時代と言われる中、企業も労働者も仕事への意識を変える必要がある。専門家は今後の働き方について「自分の可能性を見つける方法が大切」と、3つの資産価値を高める重要性を強調する。

 

静岡市にある西部生涯学習センターで「人生100年時代の新しい働き方のススメ」と題した講座が開かれた。静岡商工会議所の村上孝明さんが講師に招かれ、仕事や企業の在り方は変わっていくと訴えた。

 

「人生100年時代と言われて、働く期間は長くなります。変化していく環境に対応するには、企業は多様な人材との連携が必要で、働く人たちは自分の可能性を見つけることが大切です」

 

新卒で入社した会社に定年まで働き続ける終身雇用は、すでに当たり前ではなくなっている。定年の年齢も延びていく中、重要性や注目度が高まっているのは兼業や副業。村上さんは「企業側は外部の人を巻き込むことで新しい価値を生み出せます。実際、兼業や副業で社員以外の人材を活用している会社は増えています」と説明する。

 

社員の兼業や副業を認める企業も一般的になってきた。兼業や副業を希望する人も増加。村上さんは社会の考え方が変化していると説明する。

 

「従来は空いている時間に収入を増やす目的でしたが、最近は収入以上に経験やキャリアアップを目的にする全世代型の副業が多くなっています」

西部生涯学習センターの講座で講師を務めた静岡商工会議所の村上さん

■収入も生活も満たす副業 「健康」「人間関係」「スキル」が重要

どんなに本人が強く希望しても、他の企業から求められる人材でなければ副業や兼業はできない。経験を積み、自分の強みを磨いた先に、仕事に対する対価となる報酬がある。

 

村上さんは時代の変化に対応する働き方に、3つの資産の価値を高める必要性を説く。「健康」、「人間関係」、「スキル」。健康の大切さは言うまでもない。どんなに能力が高くても、体や心のバランスを崩してしまうと活躍の場を失う。

 

2つ目の人間関係は、コミュニティーを意味する。家族や仕事、ボランティアやサークルなど、人は様々なコミュニティーに属しているが、人間関係を広げ、深めることで副業につながっていくという。村上さんは「普段働いている職場で固定したイメージを変えるのは難しいですが、環境が変わると新たな面を見つけたり、可能性を広げたりするチャンスがあります」と話す。

 

3つめはスキル。スキルは知識と経験を掛け合わせたものだが、村上さんは経験を重要視する。知識を吸収するだけでは不十分で、経験を通じて身に付けた知識の方が仕事に生きるためだ。健康に加えて、人間関係やスキルを高めると兼業や副業のチャンスが増え、環境の変化に対応しながら働き方や生き方を豊かにできるという。

 

健康寿命は延び、人生100年と言われる時代。兼業や副業は収入を増やす選択肢にも、日々の生活を充実させる手段にもなる。

 

(間 淳/Jun Aida

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