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2022/12/27

台風、リニア、園児死亡事件 静岡県の川勝知事が選んだ今年の漢字は? 過去5年間と比較

川勝知事は静岡県庁での定例会見で今年の漢字を発表

■川勝知事が選んだのは「水」 台風、リニア、園児死亡事件

静岡県の川勝平太知事が27日、定例会見で今年の漢字を発表した。選んだ一文字は「水」。9月の台風15号の影響により、静岡市清水区で起きた大規模な断水、JR東海が計画を進めているリニア中央新幹線工事をめぐる水問題、牧之原市の園児死亡事件を理由に挙げた。

 

今年最後となった定例会見で、川勝知事は毎年恒例となっている1年を表す漢字を発表した。色紙に書いたのは「水」。理由を、こう説明した。

 

「今年は9月下旬に台風15号、清水区中心にひどい水害が出ました。まさに水に苦しめられました」

 

台風15号では、静岡市清水区で大規模な断水が起きた。清水区の8割にあたる6万3000世帯が影響を受け、復旧まで2週間を要した地域もあった。

 

また、川勝知事はリニア新幹線工事をめぐる水問題も、今年の漢字に込めた。JR東海は、東京電力が大井川上流にある田代ダムで山梨県側に流している水の量を抑えて、その分を大井川に戻す方法を提案している。

 

この方法に対し、県の専門部会では前向きな意見が出ている。しかし、川勝知事は「JR東海は田代ダムの水利権を持っていない」、「田代ダム案は南アルプストンネル工事と別問題」などと否定的な姿勢を崩していない。

 

最後に川勝知事は、9月に牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で3歳の女の子が死亡した事件を挙げた。園のバスに置き去りにされて熱射病で死亡したことから「いたいけなお子さんが体内の水分を吸収されて亡くなった。広い意味では水と関係している」と述べた。

 

■最近5年間の漢字は? 昨年は失言を反省して「厳」

川勝知事は毎年、1年最後の定例会見で今年の漢字を色紙に示している。過去5年間に選んだ漢字は以下のようになっている。

 

●2021年「厳」

新型コロナウイルス感染が広がる中で開催された東京五輪・パラリンピックで、静岡県出身選手9人が金メダルを獲得したことを挙げ「厳しい状況の中で根気よく頑張られた」とねぎらった。

 

また、10月の参議院補欠選挙の応援演説で、御殿場市について「コシヒカリしかない」と発言。対立候補を揶揄する言葉が問題視され、翌月の臨時県議会で辞職勧告決議案が可決されたため「公人としてあってはならない分断、敵と味方に分かれる現場に入っていき、厳しい指弾を受けた」と話している。

 

●2020年「壊」

新型コロナ感染拡大により、これまでの東京一極集中の仕組みが崩れたと指摘し、「壊」を選んだ。そして、2021年の漢字として「創」を示し、「破壊の後に創造するということで、大きな転換点を今年、来年にかけて経験する」と述べた。

 

●2019年「祥」

音読みは「ショウ」、訓読みは「さち、きざし」と紹介。来年に向けて「よい兆し、さいわいの兆しが堂々とかける年だった」と説明した。その理由に、袋井市のエコパスタジアムも会場となったラグビーワールドカップが歴史に残る大会と評価されたことを挙げた。

 

●2018年「翔」

同じ読みの「ショウ」という2つの漢字を示し、県政は「翔」、国政は「傷」と発表した。けがをしながらも大リーグで二刀流の活躍を見せた大谷翔平投手を引き合いに出し、「静岡県も災害に見舞われる大変さがありながら、全体として大団円だった」と話した。

 

静岡県が「世界のひのき舞台に立った」と振り返り、富士山世界遺産センターの入館者50万人達成や伊豆半島の世界ジオパーク登録、2017年まで静岡県立大学で理事長を務めた本庶佑さんのノーベル賞受賞を理由とした。

 

●2017年「勁」

定番となっている同じ音読みの漢字2つを選び、県政は「勁」、国政は「傾」とした。ともに音読みは「ケイ」で、「勁」は力が強い、ぴんと張りつめて強いという意味を持つ。県が認定する「世界クラスの資源・人材群」が1年間で20件増えたことから「静岡県が強くたくましく成長した」と理由を述べている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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