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2023/07/20

川勝知事の「静岡市は政令市の失敗」発言から7年 名称を変更してG3サミット再開

静岡市の田辺前市長の退任が決まり、G3サミット再開に意欲を見せた川勝知事

■県と両政令市のトップ会談 2016年を最後に開催見送り

静岡県の川勝平太知事が「静岡市は政令市の失敗」などと発言したことから開催が見送られていた、知事と両政令市とのトップ会談が再開する。“犬猿の仲”だった静岡市の田辺信宏前市長が退き、7年ぶりの開催。会議の名前も「県政令指定都市サミット(G3)」から「静岡県知事・政令市市長会議」に変更される。

 

2016年を最後に止まっていた“G3サミット”が動き出した。県や静岡市は、9月11日午後4時から「静岡県知事・政令市市長会議」を開くと発表した。

 

この会議は今までG3と呼ばれ、県と両政令市のトップが話し合う場として2006年から年に1度のペースで実施されていた。両市長も参加する「地域サミット」と明確に区別するため、「県政令指定都市サミット(G3)」の名称を変更したという。

 

ただ、G3サミットが最後に開催されたのは7年前の2016年。この年、川勝知事と田辺前市長の間に大きな溝が生まれた。報道陣に公開されたオープンな場で、川勝知事は「静岡市は政令市の失敗」と断じた。人口減少に歯止めがかからないことなどを指摘したものだった。

4月で退任した静岡市の田辺前市長

■「口を出し過ぎ」 田辺前市長が川勝知事に猛反発

これに対し、田辺前市長は「静岡市政に口を出し過ぎています。公の席で断じて看過できません」と猛反発。川勝知事に発言の撤回を求めた。さらに、川勝知事から「君」と呼び続けられたことに、「君、君とおっしゃいますが、静岡市長です」と語気を強めた。

 

この頃、川勝知事と浜松市の鈴木康友前市長の良好な関係とは対照的に、川勝知事と田辺前市長は度々、衝突していた。G3サミットの場で修復不可能な関係が決定的となった。

 

田辺市長は4月の静岡市長選に出馬せず、職を退いた。この約2か月前、川勝知事は県議会でG3サミットを再開する意向を示した。静岡市も浜松市も現職が次の市長選に立候補せず、新しい市長が誕生することから、信頼関係の構築などを理由に挙げていた。

 

この川勝知事の発言について、田辺前市長は定例会見で「市長が代わるから再開するものではないと思います。政令市と県の在り方を心合わせする前提で、私たちがテーブルにつくかを判断しなければいけないと思っています。私の任期中に、そこはしっかりとお伝えしたい」と話した。

 

■田辺前市長が退任直前に訪問 最後は知事が“大人の対応”

田辺前市長は退任直前に川勝知事を訪れ、静岡市は政令市失敗だと今も思っているかを質問した。川勝知事は「広い面積を行政運営する苦労があったはず。静岡市を含めた静岡県が移住先に選ばれる都市になりつつある」と“大人の対応”を見せた。

 

田辺前市長の後を継いだ難波喬司市長は、川勝知事の右腕として副知事を務めている。G3サミットから名称が変わる「静岡県知事・政令市市長会議」は、同じ方を向いた話し合いが進められるとみられる。約1時間、静岡市内のホテルで人口減少や防災の課題について意見を交わす予定となっている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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