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2023/10/08

静岡県で女性管理職が増えないワケ 政府目標に遠い8.8% 0%の業種も

静岡県の女性管理職の割合は昨年より低下

■管理職が男性のみの企業51% 女性管理職の割合低下

静岡県の企業で女性管理職が占める割合は平均8.7%で、昨年から0.6ポイント低下した。管理職が男性のみの企業は51.1%と半数を超え、1.9ポイント増えている。女性管理職が増えない理由には、静岡県特有の傾向を挙げる企業もあった。

 

企業価値の向上や多様な視点によるイノベーションの創出などを目的に、政府は職場における女性の活躍を推進している。具体的な数字としては、2020年代の可能な限り早い時期に管理職に女性が占める割合を30%とする目標を掲げている。ただ、この数字を達成するハードルの高さが調査で明らかになった。

 

民間の調査会社・帝国データバンク静岡支店によると、静岡県内で管理職(課長相当職以上)に女性が占める割合が30%を超えている企業の割合は8.8%にとどまった。20%以上30%未満も5.4%も低く、管理職が全て男性という企業は51.1%だった。

 

女性管理職の割合は平均で8.7%と低水準が続いている。企業の規模別にみると大企業は6.4%で、従業員5人以下の企業が18.5%と最も高かった。企業の規模が小さいほど女性管理職が占める割合は高くなっている。

 

業種別では農林水産が21.3%でトップ。サービスと不動産が16.7%、金融が11.3%と続いた。一方、従業員に女性が比較的少ない建設、製造、運輸・倉庫は、それぞれ7.1%、6.1%、2.7%と低かった。

 

■「責任軽い業務好まれる」、「管理職を本人が拒絶」

政府が目標としている女性管理職30%以上に到達している業種は、農林水産の50.0%と不動産の33.3%だけだった。小売、製造、建設は10%を下回り、金融、運輸・倉庫は0%。政府が掲げる数字とは程遠い。

 

女性管理職が増えない理由には、「中小企業の場合、産休や育休から職場復帰までの間に増員できず負担が大きい」という企業の事情以外にも、本人が管理職を希望しないケースもあるという。運輸・倉庫業の企業からは「男女にかかわらず、給料や立場の工場よりも責任の軽い業務が好まれる傾向があり、特に女性管理職が増えない」と声が上がる。また、電気機械製造の企業は「静岡県は保守的な考えを持つ人が多く、女性の管理職を採用したくても本人が拒絶する傾向がある」と指摘している。

 

女性活躍の取り組み(複数回答)については、「性別にかかわらず成果で評価」が56.2%で最も多かった。次いで、「性別にかかわらず配置・配属」の43.2%、「女性の育児・介護休暇を取りやすくする」の39.6%、「就業時間の柔軟化」の26.3%、「時短勤務の対応」の25.7%だった。

 

帝国データバンクは「企業には性差に関する固定観念の打破や長時間労働の人ほど昇進しやすい旧態依然とした社内風土の改革に加え、男女と仕事を家庭を両立できる働きやすい環境づくりが求められる。また、従業員に対するかyリア開発・育成の強化やロールモデルの提示など、多方面からのアプローチも重要になる」とまとめている。

 

調査は7月18日から31日まで、静岡県内の企業772社を対象に実施された。そのうち331社から回答が届き、有効回答率は42.9%となった。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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