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2023/03/01

“静岡のCM女王“にイチロー氏と接点 1年で転職、2年で倒産…成功までの紆余曲折

吉田町で講演した久保ひとみさん

■リポーター・久保ひとみさん 幼稚園の教員とOL経験

静岡県に住んでいると、その元気あふれる姿や声を見聞きしない日はない。リポーターやラジオパーソナリティを務める久保ひとみさんは、“静岡で最も有名なローカルタレント”や“静岡のCM女王”とも呼ばれている。実は今の仕事に就く前、幼稚園の教員や経理担当のOLを経験し、日米の野球界に名前を刻んだイチローさんと意外な接点もあった。

 

久保さんは静岡県のテレビやラジオに出演して25年を超えた今も、第一線で活躍している。現在の仕事が天職のように見えるが、紆余曲折を経ていた。2月に静岡県吉田町で開催された講演会で、自身の意外な経歴を明かした。

 

浜松市出身の久保さんは静岡市にある常葉大学短期大学の保育科を卒業後、幼稚園の教員になった。しかし、1年で退職。大阪の会社に転職して経理を担当していたが、会社が2年で倒産した。

 

久保さんは「何という人生なのか」と落胆したものの、新しい仕事を見つけないと生活できない。「次は自分が最も得意なことを仕事にしよう」。考えた結果、しゃべる仕事を探すことに決めた。

 

■テレビデビューは高校時代 甲子園のアルプス席で踊りを披露

久保さんは学生の頃から目立つこと、しゃべることが大好きだった。テレビにデビューしたのは高校生の時だった。母校・浜松商業の応援で甲子園に行った際、テレビに映りたくてアルプス席で踊っていたところ、狙い通りカメラにアップで捉えられたという。

 

人前に立つ楽しさを知ったのは、幼稚園の教員の頃。出し物でステージに立って園児を喜ばせるのが、やりがいだった。

 

回り道になったが、幼稚園の教員とOLを経て、久保さんはプロ野球のオリックスを応援するラジオ番組で念願だったしゃべりの仕事に就いた。オリックスには当時、入団したばかりのイチローさんが所属していた。久保さんはイチローさんにインタビューする機会もあったという。

 

「1つの質問に何分も悩んで答える姿が印象に残っています。あの頃に親しくしていたら、メジャーリーガーの奥さんになるチャンスがあったかもしれないですね」

子どもにインタビューする時は小柄な体をかがめて話を聞くという久保さん

■イチローさんとの結婚は“失敗” 静岡に戻って才能開花

イチローさんを射止めることはできなかったが、久保さんは活躍の場をどんどん広げていった。静岡県に戻ってきてラジオ番組で人気となり、さらにテレビ番組でリポーターを務めた。体当たりの取材や周りを元気にするキャラクターが支持され、多数のCMにも起用される静岡で最も有名なローカルタレントとなった。

 

久保さんが仕事や私生活で心掛けているのは2つの努力。「忘れる努力」と「笑う努力」だ。人生は上手くいくことばかりではないが、引きずっていると前には進めない。もちろん反省はするが、気持ちを切り替えるために忘れるようにしている。

 

笑う努力も、前向きに生きるには不可欠。久保さんは「私も良いことが毎日続くわけではありません。それでも、意識して笑うようにすると気持ちも楽しくなっていきます。1日1回笑うのはお勧めです」と話した。いつも元気いっぱいな久保さんも、決して平たんな道を歩んできたわけではない。

 

(間 淳/Jun Aida

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