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2023/12/13

就職・転職活動中の人は必見 元アナウンサー実践 企業が面接に呼びたくなる書類対策

静岡朝日テレビでアナウンサーをしていた頃の赤間さん

■元静岡朝日テレビ・赤間優美子さん スクールで自分の甘さ痛感

難関突破には徹底した対策があった。元静岡朝日テレビのアナウンサー赤間優美子さんのコラム、今回のテーマはアナウンサー試験。周りに圧倒され「私には合っていない」と一度は挫折したアナウンススクールに再び通い、入社試験の書類では面接に呼ばれる工夫を凝らしていた。

 

私がアナウンサーの仕事に興味を持ったのは大学に入ってからでした。友人に声を褒められたことや、聞き上手なところが向いていると指摘されたことがきっかけでした。私は友人と一緒にいても聞き役になることが圧倒的に多いです。アナウンサーは「話す仕事」というイメージを持っていましたが、人の話を聞く役割も重要だと気付いて挑戦してみようと考えました。

 

アナウンサーになるためには、アナウンススクールに通うのが王道です。私も興味本位で、大学1年生の時に入りました。ところが、私のように甘い考えでアナウンサーを目指している人はいませんでした。教室に入る時は大きな声で挨拶するのは当たり前。「私には合わない」と挫折して、途中でスクールを辞めてしまいました。

 

その後はアナウンサーを意識することなく過ごしていましたが、大学3年生になって就職について真剣に考え始め、「アナウンサーになりたい」という気持ちが再び沸き上がってきました。その理由は所属していたゼミにあります。

 

■大学のゼミで“取材”経験 「私にはアナウンサーしかない」

私は興味を持った人に話を聞いて、内容を報告書にまとめる文化人類学のゼミに所属していました。外国人留学生や日本酒を製造している女性など、取材のような形で様々な分野の方に話を伺いました。自分の知らない世界の話を聞くのは興味深く、知識や世界が広がっていく楽しさがありました。

 

ただ、熱を込めた報告書はゼミの教授の目に触れるだけです。せっかくなら、発信力のあるところで取材して、自分で伝えたいと考えるようになりました。「私にはアナウンサーしかない」と自分に思い込ませ、もう一度アナウンススクールに通う決心をしました。

 

2度目のアナウンススクールは、1度目よりも厳しい現実を突きつけられました。高い志で大学1年生から通い続けている人との差は一目瞭然。発声、原稿読み、フリートークと、どの授業も上手くいきませんでした。何度、逃げ出したいと思ったか分かりません。でも、自分の現状を受け入れて技術を磨いていくしかないと覚悟を決めました。

 

アナウンサー試験は、まず書類審査があります。書類で落とされるケースは少なくありません。私はアナウンススクールの先輩や先生から情報を集めたり、企業はどんな書類を見たら面接したくなるのかを想像したりしました。

 

大半のテレビ局は書類に自由度があります。学歴や資格、志望動機といったオーソドックスな内容はありますが、それ以外は書式を問わず自己PRできる形式でした。

ニュースキャスターをしていた赤間さんは現場で自ら取材した原稿を読む機会も多かった(本人提供)

■提出書類の文字に工夫 写真はレオタード姿も

書類に記入する材料を集めるため、自己分析に力を入れました。自分の強みは何なのか。家族や友人に、とにかく聞き回りました。私自身は「根性があるところ」が長所だと思っていましたが、周りからは「聞き上手」との声が大半を占めました。そこで、聞き上手な部分を掘り下げて自分をアピールする書類を作成しました。自己分析では、他者の意見を聞くことで自分では気付かない発見がありました。

 

記入の仕方も、ひと工夫しました。黒いボールペンでつらつらと書くのではなく、条件の範囲内で文字に色を付けたり、大きさを変えたりします。アナウンサー試験は「落とす試験」に近いと思います。1つ1つの書類が丁寧に見られるというより、大量の書類の中で目を引くもの以外は手に取ってもらえないと考えていました。

 

写真も大切です。面接に呼びたいと思ってもらえる写真を送る必要があります。もし自由に4枚の写真を提出できるのであれば、私はスーツ姿の写真は選びません。面接にはスーツ姿で臨むので、それ以外の姿を見せないのはアピールの機会を逃すことになってしまいます。

 

私は器械体操をしていたので、レオタード姿の写真も送りました。「あなたらしい写真」と指定された時には、かわいく写った1枚を選ぶのではなく、面接で質問したくなるような写真や自分の特徴が分かる写真が効果的です。アルバイト、趣味、課外活動など動きのある写真の方がメッセージ性は強くなります。

 

当時も提出を求められた動画は、最近の試験では主流になっているかもしれません。動画も写真も書類も、会ってみたくなる工夫を散りばめることが大事だと考えています。

 

私は20社くらいテレビ局で書類審査を受けましたが、ほとんどで通過できました。対策や攻略法を考えるのが楽しかった部分もあります。ただ、面接は苦戦続きでした。次回のコラムでは、失敗を教訓にした面接についてお話します。

 

<プロフィール>

赤間優美子(あかま・ゆみこ)。神戸市出身。2014年に静岡朝日テレビにアナウンサーとして入社、夕方の情報ワイド「とびっきり!しずおか」で気象コーナーを担当。その後は4年間「県内ニュース」のキャスター。事件事故の取材や中継、選挙や台風の特番のMCも務める。また、時事ネタを中心に街頭インタビューで1000人以上の声を聞き、原稿執筆やVTR制作にも従事。そのほか、朝日放送の「朝だ!生です 旅サラダ」の中継コーナー、 静岡朝日テレビ開局40周年記念特別番組「池上彰と学ぶ  なるほど!富士山7つの秘密」などに出演。

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