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2024/01/06

オリックス紅林とハヤテ223赤堀監督がタッグ サッカーのまちで野球の原点伝える

ハヤテ223の赤堀監督とオリックスの紅林選手が参加した藤枝市の野球教室

■ハヤテ223・赤堀元之監督とオリックス・紅林弘太郎選手が野球教室

勝利やプレーだけが野球人の役割ではない。今シーズンからプロ野球2軍のウエスタンリーグに加わるハヤテ223の赤堀元之監督とオリックス・紅林弘太郎内野手が6日、地元の静岡県藤枝市で野球教室に参加した。野球の競技人口減少が叫ばれている中、園児や野球未経験者にボール遊びの楽しみを伝えた。

 

プロ野球選手や元プロ野球選手が参加する野球教室とはイメージは少し違うかもしれない。藤枝市で開催された「お楽しみ野球教室」に参加したのは、主に野球経験のない年中の園児から小学校3年生まで子どもたちだった。

 

野球教室の中心を担うのは地元の野球チームに所属する中学生たち。柔らかいボールを使ってキャッチしたり、下から優しくトスしたボールをバットで打ったり、ベースランニングで競争したり、参加した子どもたちを楽しませた。

 

そこに加わったのが、藤枝市を代表する2人の野球選手だった。1人目は近鉄で最多セーブのタイトルを5度獲得し、今シーズンからウエスタンリーグに参加するハヤテ223を指揮する赤堀元之監督。もう1人は昨シーズン、リーグ3連覇に貢献して初のベストナインに輝いた紅林弘太郎選手だ。

 

2人は子どもたちと一緒にキャッチボールし、「ナイスボール」などを笑顔で声をかけた。プロの技術を教えるのではなく、野球の原点ともいえるボールを使って遊ぶ楽しさを伝えた。

参加した子どもたちとキャッチボールを楽しむハヤテ223の赤堀監督

オリックスの紅林選手は子どもたちに笑顔で声をかけながらボールをキャッチ

■ボール遊びで楽しさ体験 野球の垣根を低く

野球の競技人口は少子化のペース以上に減っている。野球以外の競技やスポーツ以外の選択肢が増え、野球をする子どもが減少しているのは仕方がない面はある。サッカーのまち・藤枝市であれば、野球の“逆風”は一層強いかもしれない。

 

ただ、野球に興味がある子どもたちはいる。高価なグラブやバットをそろえなくても楽しむ方法があり、野球に一度触れれば熱中する子どもは必ずいる。赤堀監督は今回のような取り組みやハヤテ223を通じて、眠っている野球熱を呼び起こそうとしている。

 

「本格的に野球をするというより、ボール遊びの楽しさを伝えることが大事だと感じています。子どもたちは、みんな楽しそうで良かったです。地域に根差した球団をつくって、野球の競技人口を増やしていけたらと思っています」

 

普段は厳しい勝負の世界で戦う紅林選手も思いは同じだった。園児や小学校低学年の時に野球に触れる機会をつくることが、競技人口の減少に歯止めをかける一助になると考えている。

 

「難しい話をするのではなく、ボールを投げる、打つというシンプルな楽しさを子どもたちに感じてもらいたいです。野球の楽しさを少しでも知ってもらう取り組みを続けていきたいと思っています。子どもたちのかわいい笑顔に癒されました」

 

プロとして、チームを勝利に導くどん欲さや観客を沸かせるプレーが求められていることは理解している。同時に、野球の裾野を広げる使命と責任も抱いている。

 

(間 淳/Jun Aida

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