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2024/03/07

「あなたの子どもが罪を犯しました」 詐欺メール増加 背景に未成年のトラブルや事件

■警察名乗って現金要求するメールに注意喚起「確実に詐欺」

あなたの子どもが罪を犯しました。息子や娘を持つ保護者であれば、ドキッとする文言で現金をだまし取る詐欺メールが静岡県内で増えている。メールは警察庁や警視庁を名乗っているが、静岡県警は「警察がメールで現金の振り込みを要求することはない」と注意を呼び掛けている。

 

詐欺師や詐欺グループは次々と手口を変える。2月下旬から3月にかけて、静岡県内では次のような詐欺メールが相次いでいる。

 

「私たちは警視庁です。あなたの子どもが罪を犯しました。賠償金100万円を至急下記口座に振り込んでください」

 

メールは警察庁や警視庁を装って送られてくる。振込先の口座名義は合同会社の名前になっており、不審なのは明らかな内容となっている。こうしたメールは全国で確認されており、静岡県内でも増えているという。現在のところ県内で被害は確認されていない。

 

警察がメールで現金を要求することはない。県警は警戒を強め「仮にお子さんが罪を犯したとしても、警察はメールで連絡しません。また、どんな事案でも現金を振り込むようにメールで求めることはないので、絶対に現金を振り込まないでほしい。確実に詐欺です」と注意喚起する。

 

■社会の関心悪用 詐欺グループの典型的な手口

詐欺は流行や社会問題を利用した手口が多い。警察は今回のメールが小学生から高校生の子どもを持つ保護者をターゲットにしているとみている。子どもが学校にいて所在を直接確認できない時間にメールを見た保護者がパニックを起こし、現金を振り込むことを狙っていると指摘する。

 

最近では名古屋市の小学生が記念コインや外国の紙幣を「価値が上がる」と同級生に持ち掛けられ、現金をだまし取られた金銭トラブルが関心を集めた。静岡県では浜名湖で高校生の遺体が見つかる事件が起き、20歳前後の複数の容疑者が逮捕された。

 

東京五輪開催や新型コロナウイルス感染拡大といった時期には、これらを悪用した詐欺メールが増えた。今回のメールは、未成年が被害者や加害者になるトラブルや事件が毎日のように報道されている背景があるとみられている。

 

冷静に考えれば、警察から現金の振り込みを求められることも、振込先が合同会社であることも疑問を抱く。だが、誰もが詐欺の被害にあうリスクがあることを忘れてはならない。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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