生活に新しい一色
一歩踏み出す生き方
静岡のニュース・情報サイト

検索

情報募集

menu

2022/08/29

「スマホを触らせない決意で五感を育てて」専門店オススメ1歳から楽しめるおもちゃ

■静岡市「百町森」には子どもの年齢に合ったおもちゃが充実

家事や育児に追われ、束の間の休息を取るために子どもにスマートフォンやタブレットを渡す。はじめは数分のつもりが、気付いたら数十分になってしまう。母親なら誰もが経験しているのではないか。気持ちは理解しながらも、おもちゃの専門家は「五感を育む大切な時期に、視覚への刺激が強すぎます」と注意を促す。スマホを与えなくても、1歳から楽しめる手や指先を動かすおもちゃがたくさんある。

 

静岡市にある子どもの本とおもちゃの専門店「百町森」の代表・柿田友広さんは、1歳頃からは手や指先を使うおもちゃを勧めている。育児の大変さを理解した上で、「スマホやタブレットを触らせない決意で、子どもの五感を育ててほしいです」と訴える。

穴の形に合わせて積み木を中に入れる「ポストボックス」

柿田さんが1歳児にオススメするおもちゃが「ポストボックス」。丸や三角、四角などの形がくり抜かれた箱に、同じ形の積み木を入れて遊ぶ。この時期は、物を入れたり出したりするおもちゃや、音が鳴るおもちゃを好むという。

 

形を認識するのは2歳半くらいからだが、最も早く把握する円柱のパーツは、1歳でも穴に合わせて箱の中に入れられるようになる。別売りしているチェーンリングや身近にある安全な物を穴から入れても構わない。スマホを渡さなくても、赤ちゃんは指先を使って繰り返し物を出し入れして楽しむ。

様々な遊び方ができる「プラステン」

次に、柿田さんが勧めるのは「プラステン」。5本の棒に、それぞれ色が違うコマが10個ずつ通っている。元々は小学生用のそろばんとして作られたものだが、1歳児のおもちゃに適している。最初はコマを棒から外したり、転がしたりする。先ほどのポストボックスの穴に入れて遊ぶ赤ちゃんもいる。

 

1歳半くらいになるとコマを棒に通せるようになり、2歳になる頃には色ごとに並べられるようになる。さらに、付属の紐にコマを通したり、コマをままごとのお金にして使ったりするなど、同じおもちゃでも成長に応じて使い方が変わっていくのもおもしろい。

■昔ながらの積み木もオススメ 成長によって遊び方に変化

振ると音が鳴る「ベビーキューブ」

昔ながらの積み木も1歳から長く楽しめるおもちゃで、成長とともに遊び方が変化していく。「ベビーキューブ」は赤、青、黄、紫、緑、オレンジと6色の立方体が2つずつそろっている。積み木の中に鈴や木片が入っており、振ると音が鳴る。色によって音が違い、同じ色の積み木は同じ音が鳴るため聴覚も育まれる。

遊び方で子どもの成長を感じられる「リグノ」

初めての積み木で代表的なものは「リグノ」。1歳でも手に取った積み木を高く積み上げたり、立方体の穴に円柱を通したりする。同じ色を集める遊びに夢中になる子どももいる。2歳、3歳と年齢を重ねていくと、より複雑に積み木を重ねたり、ごっこ遊びに使ったりする。遊び方の変化で、子どもの成長を感じられるおもちゃの1つと言える。柿田さんは「木製積み木の重量感や肌触りは大人になっても記憶に残ります」と自然素材の良さを語る。

 

5分でも10分でも、自分ひとりの時間を捻出するために、赤ちゃんにスマホやタブレットで動画を見せたくなる気持ちは誰もが理解できる。ただ、現代の生活を支える利器に頼らなくても、こうしたデザインの優れたおもちゃにも子どもを夢中にさせる力がある。

 

(間 淳/Jun Aida

関連記事