2026/09/29
100年以上の老舗企業 過去最多の倒産ペース 浜松でも149年続いた豆腐店が事業停止
■老舗企業の倒産件数 今年1月から8月までに112件
業歴100年を超える「老舗企業」の倒産が、過去最多を更新するペースで推移している。今年は8月までに112件に上る。静岡県でも、1877年(明治10年)創業の浜松市の豆腐店が事業を停止している。
名古屋で親しまれた洋食屋が破産… 売上高はピーク時の8億円から1.4億円に減少
帝国データバンクによると、今年1~8月に倒産した老舗企業は112件だった。年間160件を上回るペースで、これまで最多だった2024年の146件を超える可能性がある。調査は倒産時点で創業・設立から100年以上、負債1000万円以上で法的整理となった企業を対象としている。
静岡県では、浜松市浜名区の豆腐製造・販売「須部商店」が5月31日に事業を停止して自己破産申請の準備に入った。1877年創業で、豆腐や油揚げなどを製造し、創業者の名前を冠した「勘四郎」の店舗も展開していた。
須部商店は2005年5月期に約4億6900万円の売上高を計上したが、競合や人手の問題などから売り上げが伸び悩み、2024年5月期には約2億3000万円まで減少した。原材料にこだわった商品づくりで薄利の運営が続く中、原材料費の急騰も重なった。負債は2024年5月期末時点で約4億3900万円だった。なお、今回の112件は法的整理となった企業が対象で、須部商店がこの集計に含まれているかは公開情報から確認できない。

浜松市の老舗豆腐店は自己破産申請へ
■愛知では2024年に老舗菓子メーカー破産 売上が大幅に減少
全国の老舗倒産を業種別にみると、製造業が34件で最も多く、卸売業24件、小売業22件、建設業16件と続いた。56件と半数が負債1億円未満の小規模倒産だった。負債10億円以上の倒産も4件あり、このうち3件では簿外債務や売掛金、在庫の水増しなどコンプライアンス上の問題が倒産の引き金となった。
愛知県でも近年、長い歴史を持つ企業が姿を消した。名古屋市の和菓子メーカー「松河屋」は1862年(文久2年)創業。「松河屋老舗」のブランドで、東海や北陸をはじめ各地のスーパーや百貨店、空港などで商品を販売していた。2024年8月に事業を停止し、同年11月7日に名古屋地裁から破産手続き開始決定を受けた。
松河屋は1994年5月期に約20億400万円の売上高を計上していたが、消費者の好みの多様化などで洋菓子を扱う事業者との競争が激しくなり、2023年5月期には約6億円まで減少していた。事業の立て直しを進めたものの、運転資金の確保も難しくなり、事業継続を断念した。
帝国データバンクは、老舗企業が長年培ってきた信用や顧客基盤、技術やノウハウを強みとする反面、後継者難や物価高への対応が追いつかないケースが目立つと指摘する。価格転嫁による収益確保や、技術・ノウハウの次世代への継承、会計管理やガバナンス体制の見直しが必要になるとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)








