2026/02/26
物価高で“学び”削る大学生 月の書籍代1000円割れ 授業料全額免除は4倍に増加
■奨学金の受給36.8% 1年間で8.2ポイント上昇
大学生の暮らしに、静かな変化が起きている。授業料の「全額免除」を受ける学生が急増する一方で、1か月の書籍代は1000円を下回る低水準となった。支援制度は広がっているが、日々の生活の中では別の現実も見えてきた。
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全国大学生活協同組合連合会がまとめた学生生活実態調査によると、昨年に奨学金を受給している学生の割合は36.8%となり、過去10年で最も高い水準となった。28.6%だった前年から、1年間で8.2ポイント上昇した計算になる。
増加の中心は、返済不要の給付型奨学金だ。「給付型のみ受給」は前年の7.3%から15.2%へと倍増した。貸与型のみの受給は16.3%でほぼ横ばいで、返済を伴わない支援の拡充が奨学金利用者増加の主な要因となっている。
授業料減免も大きく動いた。授業料の全額免除を受けている学生は3.6%から15.7%へと急増。特に国公立大学では19.8%に達している。給付型奨学金の拡充とあわせ、学費負担の軽減が進んだ1年といえる。

写真はイメージ
■月間書籍費の平均 2016年以降で初めて1000円割れ
ただ、生活全体が楽になったわけではない。1か月の生活費を見ると、自宅生の収入合計は7万2648円、下宿生は13万8070円といずれも過去10年で最も多い。アルバイト収入や仕送りの増加が背景にある。しかし、支出も増えている。中でも目立つのが食費だ。自宅生は1万5044円、下宿生は2万9853円と前年より大きく増加。物価高が日常生活に直結している様子がうかがえる。
一方で、削られている支出もある。月間書籍費の平均額は自宅生で970円、下宿生で990円と、いずれも2016年以降で初めて1000円を下回った。勉学費も847円(自宅生)、961円(下宿生)と低下傾向が続いている。
食費が増える中で、交通費や教養娯楽費、学習関連支出を抑える構図が見えてくる。生活を維持するための調整が、学びに回るお金にも及んでいる可能性がある。
生活を支えているのはアルバイトだ。現在(10~11月時点)アルバイトをしている学生は77.4%と、コロナ禍前を上回る水準に回復した。月収の有額平均は5万1030円で増加傾向が続く。収入分布を見ると、7万円以上の層も拡大している。
■週23時間以上アルバイトの学生 21.9%が授業以外の勉強時間0分
週あたりの平均労働時間は約12時間で大きな変化はないが、働く時間が長い学生ほど学習時間が短くなる傾向も表れた。週23時間以上アルバイトをしている学生では、授業以外の予習・復習を「全く行っていない」と回答した割合が21.9%に達した。読書時間についても、勤務時間が長いほど「0分」の割合が高まる。
支援制度の拡充によって学費負担は軽減されつつある。しかし、物価高の影響の中で生活費をやりくりし、アルバイトで補い、将来の返済に不安を抱える学生も少なくない。制度の広がりと生活の現実。その両方が、今の大学生の姿を形づくっている。
今回の調査は昨年10月から11月にかけてオンラインで実施された。全国の国公立および私立大学の学部生を無作為で抽出し、1万3277人から回答を得ている(回収率18.0%)。
(SHIZUOKA Life編集部)









