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2023/01/13

静岡県の感染症 インフルエンザとRSウイルスで異なる流行傾向 感染性胃腸炎ピーク継続

感染症の予防で効果があるとされる手洗い

■インフルは県東部で拡大 RSウイルスは県西部で流行期

静岡県の新型コロナウイルス新規感染者数や死者数が過去最多を更新する中、他の感染症も患者が増えている。インフルエンザは県東部が流行期に入っており、RSウイルス感染症は県西部が流行期の指標を超えた。感染性胃腸炎も県西部を中心にピークが続いている。

 

3年ぶりに行動制限のない年末年始で人の動きが活発となったこともあり、新型コロナの感染は全国で拡大している。静岡県では12日、新規感染者数が7日に次ぐ過去2番目に多い9189人。11日には死者数が24人に上り、1日の過去最多を9人も更新した。

 

冬場に警戒すべき感染症は新型コロナだけではない。インフルエンザ、RSウイルス感染症、感染性胃腸炎も県内では流行期に入っている。

 

発生や流行情報をまとめる感染症情報センターによると、昨年12月26日から今年1月1日時点で、静岡県内のインフルエンザ患者は、1医療機関あたり1.40となっている。前の週に続いて1を上回り、流行期となっている。

 

特に県東部では2.28と数字が高い。県中部は0.95、県西部は0.87で間もなく流行期に入るとみられている。

 

■乳幼児に多いRSウイルス 肺炎や気管支炎引き起こすケースも

一方、RSウイルス感染症の患者は1医療機関あたり0.58で、前の週より増加した。県東部0.25、県中部0.41に対し、県西部は1.10と流行期の指標を超えた。インフルエンザとは逆に、西高東低の傾向がみられる。

 

RSウイルスは乳幼児がかかる感染症の代表的なウイルスで、秋から冬にかけて流行する。初期症状で鼻水や喉の痛みが表れる。発熱がなく軽症で終わるケースもあるが、肺炎や気管支炎を引き起こすこともある。

 

感染は唾液や鼻水がついた手やタオル、おもちゃやドアノブなどを介して広がる。抗ウイルス薬がないため、感染した時は水分と栄養を補給し、こまめに鼻水を吸引して自然に回復するのを待つ。呼吸障害が強くなった際は、酸素、加湿、人工呼吸管理で対処する。

 

■ノロウイルスが代表 感染性胃腸炎は県西部でピーク

感染性胃腸炎も冬期に感染が広がる。県全体では前週より患者が減って、1医療機関あたり2.60人となっている。ただ、県西部は5.30人と多く、ピークが継続している。

 

感染性胃腸炎は細菌やウイルスなど様々な微生物が原因となる腸の病気の総称で、腹痛や下痢、嘔吐や発熱などの症状が出る。最も多いのはウイルス性で、代表的なものにノロウイルスやロタウイルスがある。

 

病原体が付着したものや手などによる直接接触だけでなく、感染者が使用したタオルやコップといった間接接触でも感染する。ウイルス性の胃腸炎には抗菌薬が効かないので、治療は胃腸炎の症状を和らげる対症療法となる。下痢や嘔吐がひどい場合は水分補給し、発熱や腹痛がある時は解熱鎮痛剤を使う。

 

新型コロナ対策ではマスク着用、うがいや手洗いの徹底、消毒などが掲げられている。こうした習慣は他の感染症の予防にもつながる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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