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2023/09/16

性被害にあったら…知っておきたい相談先 医療・警察・弁護士ワンストップの窓口

■静岡県の支援センター「SORA」 県警も専用の相談窓口

ジャニーズ事務所を創業したジャニー喜多川による性加害問題では、被害を受けても声を上げられないことや相談先が分からない現状が浮き彫りになった。心身のケアや法律相談をワンストップで行う相談先は全国に設けられており、静岡県には性暴力被害者支援センター「SORA」がある。また、静岡県警にも性犯罪被害者専用の相談電話が設置されている。

 

ジャニー喜多川氏の性加害問題で、社会に少しずつ動きが出てきている。過去に被害を受けたと告白する人は増え、ジャニーズ事務所との広告契約を打ち切る企業も相次いでいる。

 

ジャニーズ事務所が性加害の事実を認めたことを受け、ジャニー喜多川氏から被害を受けたメンバーらで構成する「ジャニーズ性加害問題当事者の会」は、政府に積極的な関与を求めている。ジャニーズ事務所は被害者に対して「法を超えた救済」を主張しているため、被害者側は性犯罪の公訴時効の撤廃を訴えている。

 

性犯罪をめぐっては、規定を見直した改正刑法が今年施行されている。公訴時効は不同意性交罪が15年、不同意わいせつ罪が12年と5年延長された。18歳未満の被害に関しては、18歳までの期間を加えて時効を遅らせる内容となっている。

 

ただ、今回のジャニー喜多川氏による性加害問題からも分かるように、被害者が声を上げられるようになるのは20年、30年先になる場合もある。それだけ、当事者の傷は深く、1人で抱え込むケースが多い。被害を思い出したり、人に相談したりするのが難しいことに加えて、どこに相談すれば良いのか分からないというアンケート結果もある。

 

■24時間、365日 心身のケアや法律相談ワンストップで対応

性犯罪や性暴力の被害者を支援する相談先は全国各地に設置されており、静岡県には性暴力被害者支援センター「SORA」がある。「#8891」に電話すると、専門の研修を受けた女性相談員と話ができる。24時間、365日対応している。チャットによる相談も受け付けている。

 

「SORA」の特徴は行政、医療機関、カウンセラー、弁護士、警察などの関係機関が連携し、被害者の心身のケアや法律相談をワンストップで行えるところにある。相談内容によって精神科医の診察を受けたり、弁護士に法律的な手続きを相談したりできる。医療費やカウンセリング費を公費で負担する制度もある。

 

静岡県警にも性犯罪被害専用の相談窓口「性犯罪被害110番」が設けられている。「#8103」に電話すると、相談者が希望する性別の警察官が対応する。相談者の安全を最優先に考え、被害届を出すかどうかは当事者が決められるという。警察に提出する診断書や診察にかかった費用などは公費でまかなえる。

 

内閣府は、性暴力に関するSNS相談「Cure Time」を実施している。毎日午後5時から9時まではチャット、それ以外の時間はメールで相談を受け付けている。24時間対応で、英語、中国語、スペイン語、タガログ語など外国語での相談可能となっている。

 

性犯罪は被害を誰にも打ち明けられず、1人で悩み続けるところにも苦しさがある。SORAをはじめとする支援先は秘密厳守を約束しており、相談先の選択肢となる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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