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2024/01/22

ぶっつけで試合…日常生活にも支障 練習できる当たり前に感謝 元ロッテ選手の再スタート

くふうハヤテの合同練習で打撃練習する福田選手

■くふうハヤテ・福田秀平選手 怪我回復して合同練習で躍動

野球選手にとって当たり前の時間に喜びと感謝の気持ちを感じている。ソフトバンクとロッテでプレーし、今シーズンはウエスタン・リーグのくふうハヤテベンチャーズ静岡に所属する福田秀平選手が怪我の影響を感じさせない姿を見せている。ロッテ時代は打撃練習ができないほど右肩の痛みに苦しんだが、合同練習では力強くスイングして快音を響かせている。

 

不慣れな環境にも表情は明るい。今シーズンからウエスタン・リーグに参加するくふうハヤテは11日から合同練習を続けている。昨シーズンまでNPBでプレーしていた福田選手にとっては例年、自主トレの期間。34歳と野手最年長の年齢を感じさせず、一回り以上年が離れたチームメートと同じメニューをこなしている。

 

「今までは自主トレで段階を踏んでキャンプインを迎えていますが、今年はいきなりチーム全体でのスタート。飛ばし過ぎないように気を付けています。スプリントの動きも取り入れていますし、順調に調整できていると思います」

 

飛ばさない意識を持てるのは、コンディションの良さを表していると言える。福田選手はここ数年、当たり前だった練習ができなかった。理由は右肩の怪我。ソフトバンクからFAで移籍した1年目の2020年、死球を受けて右肩甲骨を骨折した。復帰後も右肩の状態は良くならず、2022年オフに手術した。

福田選手は右肩の可動域を確かめるようにスローイング

■右肩の痛みで打撃練習できず…ぶっつけ本番で打席に

守備力を武器とした福田選手にとって、送球にかかわる右肩の怪我は選手生命に影を落とした。その影響は私生活にも及ぶほど。肩の可動域が狭くなったため、今でも右腕は高く上げられず、右手で左肩を触ることもできない。右肩の痛みで打撃練習さえできず、試合前にバットを振らず試合の1打席に勝負をかけた時もあったという。

 

「満足に練習もせず試合で結果を出せるほどプロの世界は甘くないです。ロッテの首脳陣からは『打撃練習はしなくても構わないから、試合に集中して』と声をかけてもらいました。本来、野球は楽しいはずなのに、怪我をして投げられない、打てない状態でした」

 

昨シーズンの出場が3試合にとどまった福田選手は、オフに戦力外を通告された。それでも、昨シーズン終盤に明るい兆しが見えていた。右肩の痛みがなくなり、不安なく送球できるまで回復した。「このまま野球人生を終わりたくないと思いました」。再スタートを切る場として、静岡県に初めて誕生したプロ野球の球団くふうハヤテを選んだ。

 

合同練習では積極的に声を出し、緊張で硬さのあるチームメートを和ませる。キャッチボールや守備練習では、現在の右肩の可動域でベストな投げ方を模索。ここ数年は満足にできなかった打撃練習では、力強いスイングを見せている。

 

「1日何百球も打てるようになって、野球の楽しさを改めて感じています。もう一度プレーしたい気持ちが大きいです」

打撃練習用のネットを準備する福田選手

■くふうハヤテでは2人部屋で生活 食器洗いも洗濯も自分で

2軍しかない新球団の環境は、今までのNPBとは違う。現在は10歳年下のチームメート増田将馬選手と2人部屋の合宿所で暮らす。食べ終わった食器を洗い、洗濯も自分でやる。

 

シーズンに入れば移動は新幹線や飛行機ではなく、長時間バスに乗ることになる。環境は決して恵まれてはいないが、福田選手が口にするのは前向きな言葉ばかりだ。

 

「18歳でプロに入った頃を思い出して、新鮮な気持ちです。若い選手と一緒に新しいチームでプレーする経験が、今後の野球人生や野球を離れた後にも生きてくると思っています」

 

右肩の怪我では医師やトレーナー、ロッテのスタッフや家族など数えきれない人たちにお世話になったという。そのサポートがなければ、現在の状態まで回復することはなかったと福田選手は強調する。好きな時に好きな練習ができるのは当たり前ではない。感謝の気持ちをプレーに込める。

 

(間 淳/Jun Aida

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