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2024/02/21

NPB通算477安打の打者がプロ初の打撃投手 “準備中”の環境から再び1軍目指す

フリー打撃で打撃投手を務めるくふうハヤテの倉本選手

■元DeNA・倉本寿彦選手 くふうハヤテから再び1軍目指す

もう一度、あの舞台に立つためには何でもやる。元DeNA・倉本寿彦選手は社会人の日本新薬を経て、今シーズンから「くふうハヤテベンチャーズ静岡」でプレーする。新規球団でスタッフの数が足りず、練習の準備や片づけ、さらには打撃投手も選手が担当しているが、倉本選手は「新しいことが色々と起きていて楽しいです」と充実感をにじませる。

 

プロ野球2軍ウエスタン・リーグは開幕まで1か月を切った。新規参入するくふうハヤテの春季キャンプも終盤に入っている。チームにはNPB12球団でプレーした選手も多い。倉本選手も、その1人。2014年にドラフト3位でDeNAに入団し、2022年まで在籍した。

 

くふうハヤテはリーグ開幕に向けて急ピッチで準備を進めている。本拠地の「ちゅ~るスタジアム清水」は現在も改修工事中で、24日には追加で投手のトライアウトを実施する。

 

プロ野球オーナー会議で参入が正式に承認された昨年11月22日までは身動きが取れなかったこともあり、球団スタッフも十分にそろっていない。春季キャンプでは全ての選手や赤堀元之監督をはじめとする首脳陣が、練習の準備や片づけ、球拾いやグラウンド整備もしている。倉本選手、田中健二朗投手、池谷蒼大投手のDeNA勢やソフトバンクとロッテでプレーした福田秀平選手らプロ野球の1軍経験者も例外ではない。

倉本選手(右)は元ロッテの福田選手の打撃練習をサポート

■打撃投手や練習の準備 社会人野球で経験

かつての環境とは大きく変化しているが、どの選手も前向きに捉えている。2016年には157安打を記録するなど、DeNAで通算477安打の倉本選手は「不自由さやストレスを感じることなく練習できています。片付けや準備も苦にならないですね」と話す。

 

フリー打撃では野手陣も打撃投手を務める。倉本選手も20日の練習で担当した。キャッチボールで肩慣らししてからマウンドへ。やや制球に苦しむ場面もあったが「新しいチームなので、新しいことが色々と起きます。それも含めて楽しめています。プロで打撃投手をするのは初めてですが、社会人では経験しています」と笑顔を見せた。

 

倉本選手は2022年オフにDeNAを戦力外となり、昨年は古巣の日本新薬に所属した。選手数が少ないため選手が打撃投手をしたり、練習の準備をしたりしたという。くふうハヤテの環境に違和感なく入れているのは、社会人野球の経験も生きている。

練習後にチームメートとネットを片付ける倉本選手(右)

■安定と“無縁” 「可能性ある限り1軍目指す」

元プロ野球選手が社会人野球に移ると「将来の安定」を目的とするケースも多い。だが、倉本選手の頭に「安定」の文字はなかった。昨年は社会人から、今年はくふうハヤテからNPB12球団復帰を目指す。

 

「プロに戻りたい気持ちで社会人野球に取り組んでいました。野球をやっている以上は、プロの1軍でプレーしたい気持ちに全く変化はありません。年齢を重ねたら安定を求めるということはなく、少しでも可能性がある限り1軍を目指しています」

 

2軍だけで誕生したばかりのくふうハヤテの練習環境は、NPB12球団を知る選手にとっては恵まれているとは言えない。だが、12球団と対戦するリーグ戦は絶好のアピールの場となる。「怪我なく順調にきているのでコンディションは問題ありません」と倉本選手。その言葉通り、ロングティーではパワーを見せつけ、18日の紅白戦では2安打を放った。その目は2年ぶりとなる1軍の舞台を捉えている。

 

(間 淳/Jun Aida

★打撃投手を務める倉本選手

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